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「自分は若い!」で健康と幸福度アップ:サクセスフル・エイジングを測る方法とは?


  

こないだも書いたとおり、「自分は若い!」と主観的に感じられている人は、実際に心と肉体がめっちゃ健康である可能性が高かったりします。「自分は同世代より若いよなぁ……」という実感がある人は、実際に肉体も若かったりするんですな。

 

これはメンタルヘルスについても同じで、過去のメタ分析(R)でも、主観的に「自分は若い」と思えている人は、主観的な幸福感や、脳の働きに関するテストでも、良いパフォーマンスをたたき出すと報告されてたりします。それぐらい、主観的な若さってのは、人生のいろんな側面に影響するわけっすね。

 

で、この主観的な若さを計測する方法はいくつかあって、最も良く使われるのが「サクセスフル・エイジングスケール」ってやつです(R)。ざっくり意訳すると「うまい具合に歳を取れているかをチェックする尺度」って感じで、ちゃんと加齢にサクセスできてるかってところを調べるテストなんですな。

 

「サクセスフル・エイジング」ってのは、アンチエイジングにとはまた違った考え方でして、こちらもざっくり意訳しちゃうと、

 

  • たんに健康を維持するだけじゃなくて、メンタルヘルス、社会的なつながり、活動的なライフスタイルを維持して、楽しい人生を築こうぜ!

 

みたいな定義になります。たんに見た目が若いだけではなく、それによって豊かな人生を送ることができているかを重視するわけですな。そりゃあいくら肉体が若くても、それを有効に使えなかったらしんどいですもんね。

 

そんなわけで、「サクセスフル・エイジングスケール」では、以下のようなポイントを重視してチェックします。

 

  1. 健康と身体機能:身体的な健康状態とその機能をちゃんと維持できているかどうか。

  2. 認知機能:記憶、注意力、判断力、問題解決能力など、思考や学習に関連する脳の機能を維持できているかどうか。

  3. 対人関係:家族、友人、同僚など、他者との関係や交流の質は高いか。

  4. 社会的認知および社会的感情機能:他者の感情や意図を理解し、適切に対応する能力は高いか。さらには、自身の感情もコントロールし、コミュニケーションのなかで適切に調整できているか。

  5. ライフスタイルとエンゲージメント:日常生活の中で、積極的に趣味やボランティア活動、社会的な活動に参加し、充実した生活を送ろうとしているか。

 

確かに、どの要素も、幸福感を保ちながら歳を取るためには欠かせないですもんね。より良く歳を取りたいなら、ここらへんのポイントを満たすことができているのかは、定期的にセルフモニタリングしておきたいところです。

 

では、これらの要素をチェックするにはどうすりゃいいのかって話になりますが、まことにありがたいことに、日本人に向けたテストが開発されておりました(R)。

 

これは、欧米でよく使われる「サクセスフル・エイジングスケール」を日本語に訳したうえで、予測の精度が高い質問を10個にまで絞り込み、さらには65歳前後の高齢者を対象に、テストとしての妥当性を確かめたものです。たった10問で、自分のサクセスフル・エイジングを調べられるんだから、実にありがたい尺度ですな。

 

ということで、実際に自分のサクセスフル・エイジング度をチェックしてみましょう。以下の10の文章をよく読み、自分自身にあてはまるものを5点満点で採点してください。

 

  • 1点=全くあてはまらない
  • 2点=少しあてはまる
  • 3点=中程度あてはまる
  • 4点=かなりあてはまる
  • 5点=非常にあてはまる

 

あなたが歳を取るにつれて、以下の文章が示す内容を「どれぐらい実感するようになったかなー」ってあたりを、自分の感覚に従ってチェックしてみてくださいませ。

 

  1. 私は、自分にとって何が大切なのかを、より良く感じられるようになった。

  2. 私は、人間関係や人に対してよりいっそう感謝する。

  3. 私は、物事や人を評価するための経験や知識が増えた。

  4. 私は、自分の健康にいっそう配慮する。

  5. 私は、日々を自分の好きなように生活する自由が増えた。

  6. 私は、自分のやる気を出すのが難しくなった気がする。

  7. 私は、エネルギーが減ってきた。

  8. 私の精神力は低下しつつある。

  9. 私は、他人の助けに依存することが増えたと感じる。

  10. 私は、自分の活動を制限しなければならない。

 

評価が終わったら、以下のように平均点を出しましょう。

 

  1. 質問1〜5につけた点数の平均点を出す。
  2. 質問6〜10につけた点数の平均点を出す。

 

その上で、だいたい以下のように判断を行います。

 

  • 質問1〜5の平均点が、質問6〜10の平均点よりも高い場合は、サクセスフル・エイジングに成功していると判断できる。逆に質問1〜5の平均点が、質問6〜10の平均点よりも低い場合は、サクセスフル・エイジングについて、もっと見直すところが多いと考えられる。質問6〜10の平均点が高い人は、問題の文章を読み直して、自分に足りないところを改善することを考えると吉。

 

  • おおまかな指標としては、質問1〜5の平均点が2.86より上なら、「自分のサクセスフル・エイジングは悪くないんだな」と考えてOK。一方で、質問6〜10の平均点が2.30を下回るときは、「サクセスフル・エイジングに問題を抱えているかもな……」と判断できそう。

 

まー、これはあくまで60代以上を対象にしたものなので、それより若い人でも使えるのかはよくわからんのですが、個人的にこのテストの10項目については、定期的に気にしていこうと思った次第です。


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