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恋愛はどうやって始まるのがベストなのか?問題


 

良いパートナーと出会った人は、みんなどんな出会いをしたの?」ってのを調べたデータ(R)がおもしろかったのでメモっておきましょう。長続きするようなパートナーを見つけることができた人たちは、飲み屋で知り合うことが多いのか? 趣味の集まりで出会ったのか? お見合いに成功したのか? マッチングアプリが良かったのか? オンライン結婚相談所をうまく使ったのか? って問題を調べてくれたわけですね。

 

もちろん、究極を言えば出会いなんて人それぞれなんだけど、みんなが人生の伴侶と出会った場所や方法を系統的に研究し、その答えのパターンや共通点を探してみれば、なんらかの知見が得られる可能性はあるでしょう。

 

そこで研究チームは、ギリシャ語を話す218人の男女をサンプルに質的方法(詳細なインタビューとか)を行い、多くの人たちが、恋愛のパートナーとどうやって出会ったのかをチェック。このデータを分析して44の行為を特定した後、さらに821人のサンプルを対象に定量的統計手法を使って、44の行為を8つの戦略クラスに分類したそうな。

 

でもって、さらにすべての参加者に「現在/過去のパートナーとどこで出会ったか?」を尋ね、その回答を17のカテゴリーに分類。すべてのデータをひっくるめて、「みんなどんな場所で最高の伴侶と出会っているのか?」ってあたりを絞り込んでみたらしい。

 

そこで得られた結果がどんなものか、ざっくりまとめてみましょう。まずは、多くの人が、結婚相手の候補と出会うために用いた8つの戦略を、最も人気がないものから、最も人気があるものの順番に並べていきます。

 

  1. マッチングアプリやソーシャルメディアを使う

  2. 趣味などの活動(新しい人に会うために、より多くのアクティビティに参加する)

  3. 挑発的な行動(露出が多い服装をしたりとか)

  4. 旅行する(結婚相手の候補に会えそうな場所に休暇で出かけたりとか)

  5. 友達の紹介(友達に独身の人を紹介してもらう)

  6. 自分を高める(ダイエットしたり、なんらかのスキルを学んだりとか)

  7. 外出する(同年代の人が集まる場所に行く)

  8. ターゲットへ積極的に興味を示す(ガンガンにいちゃついてみたりとか)

 

まとめると、恋愛のパートナーを探している人ほどマッチングアプリを使う可能性が低く、狙った相手に積極的に興味を示そうとする可能性が高いわけですな。意外とマッチングアプリって人気がないもんなんですな。

 

続いては、多くの人たちが、実際に重要なパートナーとどこで出会ったのかも見てみましょう。こちらも、全員の回答を、最も人気がないものから、最も人気があるものの順番に並べていきます。

 

  1. スピードデートなどのイベントで

  2. 出会い系サイト/エージェンシーで

  3. 研修セミナーで

  4. 家族からの紹介で

  5. 旅行先で

  6. マッチングアプリで(Tinderなど)

  7. 趣味の場で

  8. 休日の遊びで

  9. 社交の場で(結婚式など)

  10. 偶然(バスや飛行機の中で、たまたま出会った)

  11. 昔からの友情がロマンスに移動した

  12. 社交的な外出やパーティーで

  13. 夜の外出時(バーとか飲み屋とか)

  14. 仕事場で

  15. ソーシャルメディアで(例:インスタグラム、フェイスブック)

  16. 学校/大学で

  17. 共通の友人・知人を通じて

 

ということで、ご覧のとおり、かなり多くの人は共通の友人や知人を通じて、良いパートナーと出会っているみたいっすね。 もうちょい細かいことを言うと、

 

  • 参加者のほぼ半数が、共通の友人や知人を通じて良いパートナーと出会っていた。

 

  • 参加者の3分の1は、学校で良いパートナーと出会っていた。

 

  • 参加者の4分の1は、ソーシャルメディアで良いパートナーと出会っていた。

 

  • 偶然の出会いから恋に落ちたという人は10人に1人。

 

  • スピードデートイベントで運命の人に出会った人は500人に1人。

 

みたいになってます。半数が友人や知人の紹介で出会っていて、意外とマッチングアプリとかは少ないもんなんですな(日本の調査だとまた違うのかもしれませんが)。

 

そんなわけで、ざっくりまとめると、

 

  • みんな結婚の相手を探すためにマッチングアプリやソーシャルメディアから始めるんだけど、実際にはほとんどが友人や知人を通じて大切な人と出会っている。

 

って感じになるでしょう。そう考えると、誰か良い相手を探している時は、ソーシャルネットワークをガンガンに広げた上で、友人の集まりにガンガンに参加するのが良いんでしょうな。それも、単にネットワークを広げるだけだとイマイチなので、親友や知人に、「いま良い相手を探してます!」とアピっておくのをお忘れなく。

 

また、さらに過去の研究と照らし合わせてみると、

 

  • どのようなアプローチを取るにせよ、「真正性」がめっちゃ大事になる。たいていの研究(R)では、「真正性」が高いかどうかは、特に長期的な関係において、良い相手を見つけるのに最適な戦略であることが示唆されている。「真正性?なにそれ?」という方は、「最強のコミュ力のつくりかた」をチェックしてみてください。

    ちなみに、マッチングアプリなどの恋愛よりも、友人や知人からの紹介のほうがうまくいくのは、こちらのほうが「真正性」が高くなるからだと考えられる。

 

  • 実際、友達から恋愛関係を始めると、たいていの人は、自分を実際よりもよく見せようとするのではなく、より本音で接する傾向がある。そのため、信憑性と正直さの感覚が上がり、より良い関係につながるのだと考えられる。

 

といった結果も出ているので参考にしてくださいませ。「真正性」は、恋愛だけでなくあらゆるコミュニケーションに重要なので、ぜひ学んでおきたいところです。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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