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ぶっちゃけ、顔が微妙な相手でも付き合える?リアルな本音を調べてみた研究の話

 

 

 

「見た目なんて関係ない!中身が大事だ!」なんてことをよく言われますが、実際のところ、恋愛の初期段階では外見の影響力がバカにならないのも事実。とくにマッチングアプリを対象にした研究では、やはりプロフィール写真のデキが最も大事だって報告が大量に出てたりしますからね。

 

で、そんな状況で、最近の研究(R)では「外見的な魅力がない相手に対して、私たちはどう反応するのか?」ってテーマを掘り下げてくれていて、これがなかなか面白かったです。

 

この調査を行ったのはジョージワシントン大学などの先生方で、ここで研究チームは、恋愛や性的な関係において、物理的な魅力がまったくない異性に対して、男女がどう反応するのか?をチェックしたものです。実験の内容はシンプルで、

 

  • 実験の参加者に、あえて魅力のない異性の写真を提示

  • その人についてポジティブ、またはネガティブな性格の情報のどちらかを伝える

  • それをふまえて、「この人と付き合いたいか?」「ワンナイトならアリか?」などを回答してもらう

 

という感じです。「魅力のない異性の写真」ってのは、過去の大規模調査で「外見の魅力が低い」と評価された人物の写真を使い、別の参加者に1〜10段階で見た目の魅力を採点させ、その平均値が一定以下だったもので判断したらしい。

 

すると、分析の結果にはハッキリとした性差が見られたみたいでし、ざっくりまとめると以下のようになります。

 

 

男性は「見た目が悪くても中身で選ぶ」傾向があった

まず興味深いのが、全体として男性は女性よりも「中身」で判断しやすいって結果が出た点。たとえば、

 

  • 見た目はイマイチな相手でも、「親切な性格」「気が利く」「人に優しい」などの情報が加わると、男性は長期的な交際に前向きになりやすい
  • 相手の見た目が悪くても、男性は短期的な関係(ワンナイト等)には割と寛容
  • 逆に、性格情報がネガティブだと、男性は相手の評価を一気に下げる

 

つまり男性側としては、「外見が好みじゃなくても、中身が良ければアリ」になるケースがけっこうあるという話ですな。

 

 

女性は「見た目NG」だと、基本的に全部NGになりがち

一方で、女性のほうはもっとシビアでして、研究によると、

 

  • 相手の見た目が魅力的でない場合、女性は長期・短期ともに興味を示しづらい
  • 相手の性格の情報がポジティブでも、関係の希望にはあまり影響しない

 

ということで、「見た目NG=関係性もNG」の傾向が強かった模様。もちろん、これは平均値であって全員に当てはまるわけじゃないんですが、「女性はそもそも最初の段階でフィルターが厳しめ」という可能性が浮かび上がってきますな。

 

ということで、このようなデータを見ると、「じゃあ男は見た目が悪いと終わり?」と思っちゃうかもしれませんが、実はそんなに単純な話ではなかったりします。過去の研究データなども合わせてみると、「第一印象」と「継続的な接触」って2つの要素によって、私たちの評価基準は大きく変わるって傾向も確認されてるもんですから。このポイントをざっくりまとめると、

 

  • 関係性が薄い最初のうちは、「顔」や「スタイル」が強く印象に残る

  • しかし、何度も会って、話して、一緒に過ごしていくうちに、「気遣いがある」「話してて楽しい」「安心感がある」など、内面的な魅力がじわじわと効いてくる

 

みたいな感じであります。これは、いわゆる「メイクアップ効果」と呼ばれる現象に近いもので、初対面では気づかなかった魅力が時間とともにジワジワとしみ込んでいくことは、めっちゃよくあることじゃないでしょうか。逆に言えば、いくら外見が良くても、性格が微妙だったり、気配りが足りなかったりすると、最初の盛り上がりはあっという間に冷めてしまうってことでもあります。なので、長期的に関係を保ちたいならやっぱ内面は大事。

 

この知見をふまえて、研究チームが最後に強調していたのは、「なんだかんだで人は相手を見た目だけで評価しない」ってポイントであります。

 

  • 見た目
  • 性格
  • 清潔感や服装
  • ユーモアセンス
  • 相手をどう扱うか(礼儀や気遣い)
  • 自分をどんな気分にさせてくれるか(自己肯定感)

 

といった要素を総合的に見て「この人と一緒にいたい」と思えるかどうかを判断する人が大半で、決して外見のインパクトだけがそこまで大きいってわけでもないんですよ。

 

なかでも重要なのが自分を良い気分にしてくれる人で、これが上手い人は外見に関係なくモテる傾向があるのもわかってたりします。つまり、自己肯定感や共感力に加えて、「一緒にいると満たされる!」感覚が恋愛の核心にあるってことですな。

 

ということで、今回の研究から得られる知見をまとめると、こんな感じになります。

 

男性の場合:

  • 見た目がタイプじゃなくても、性格や雰囲気で惹かれることがある
  • ポジティブな情報があれば、長期的関係にも前向きになれる

 

女性の場合:

  • 最初の「見た目フィルター」は厳しめ
  • ただし、時間をかければ評価が変わる可能性もアリ

 

もちろん、恋愛において外見が大きなファクターを占めているのは間違いないものの、それだけで全てが決まるわけではないのも間違いないところ。それならば、「相手の人生にとって、どれだけ心地よい存在になれるか」ってところにフォーカスするほうが見返りは大きいんじゃないかと。見た目で勝負できる時期はそう長くないけど、「一緒にいてホッとする人間力」は年齢とともに磨いていけますからねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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