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あなたが知らぬ間に音楽に操られていることを示す4つの研究


こないだ「BGMが作業におよぼす悪影響」なんて話を書きましたが、音楽は知らぬ間にヒトの心を操作しているようで。

仕事のために調べてたネタなんですが、結局は採用されなかったんで、ここに代表的な論文をメモしておきます(笑)。



1・音楽は人を非道徳的にする
音楽と道徳判断」という2011年の論文。被験者の好きな音楽をBGMに流しつつ、インチキ商品の広告を聞かせたところ、そうでない被験者にくらべて、その商品を受け入れる可能性が上がったんだそうな。

どうやら、音楽には、無意識のうちに道徳の判断をねじまげる効果があるみたいっすね。なんでだろう? 心地いい気分になるせいで、気が大きくなっちゃうんかな。



2・クラシックとジャズは人を浪費家にする
レストランにおける金銭感覚と雰囲気に、音楽が与える効果」という2003年の論文。どんな実験かと言いますと、


 あるレストランで、2週間にわたって4種類の音楽(ジャズ、ポピュラー音楽、イージーリスニング、クラッシック)を流し続けた。 その結果、音楽のジャンルによって、レストランの雰囲気と客の支払い金額に違いが出ることがわかった。


クラッシック、ジャズ、ポピュラー音楽を聞いた客は、もっとも多くの食事代を支払った。一方で、イージーリスニング聞いた場合と無音の環境では、支払額が顕著に低くなった。


これも不思議な現象。「クラッシック=高級」っていうイメージのせいかなぁ。



3・ラブソングも人を浪費家にする
愛の気配」というオサレなタイトルの2009年論文。これは上の実験と似てまして、花屋でラブソングを流したら、ポップミュージックを流したよりも売り上げが上がったんだとか。これは、単純にロマンチックな音楽で気分が盛り上がっちゃったような気がしますな。



4・音量がデカいと酒を飲みたくなる
BGMの音量と飲酒量」という2008年の論文。2つのバーで行われた実験で、BGMの音量を変えながら営業したところ、客の飲酒量がグンと上がったんだとか。その一方で、店の滞在時間は減ったそうで、バーの経営者としては客の回転率が上がっていいですな(笑)。



まとめ
そんなわけで、音楽がヒトの心に与える影響を調べた4つの研究でした。いずれの実験を見ても、音楽の力で気分が変わったせいで、ヒトの判断にバイアスがかかってる感じがしますねぇ。



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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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