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目標は曖昧に決めたほうがやる気が出るらしい


よく自己啓発の世界では「目標を決めるなら具体的に!」なんて言いますが、ユタ大学が2011年に行った研究 は「いや、本当は曖昧な目標のほうがいいんじゃね?」と主張していて面白いです。


この論文では3つの実験が行われたんですが、わかりやすいのはダイエットに関するもの。41人の被験者に健康診断を行い、以下の2パターンで結果を告げたんですね。

  1. 健康診断で出た数字をそのまま伝える
  2. 健康診断で出た数字に、上下3%の幅をもたせて伝える



つまり、パターン1では「結果は20です」と具体的な数字を言って、パターン2では「結果は17〜23ぐらいですね」みたいに曖昧な言い方をした、と。すると、3週間後、パターン2の被験者のほうがダイエットへのモチベーションが上がって、より体重が減る傾向が強かったんだそうな。


これを実生活に応用するなら、「今月で2キロ減量!」より「1〜2カ月で1〜3キロぐらい減量」と決めるほうが痩せやすいし、「今月は10冊読書する!」より「春ごろまでに2〜30冊読めれば」ぐらいのほうが実はやる気が出るってことですね。


研究者によれば、曖昧な目標のほうが好きなように目標を解釈できるので、失敗したときのダメージが少なくなり、結果としてモチベーションアップにつながるらしい。確かに、このほうが、以前に「目標設定における6つのデメリット」で挙げた、目標設定の落とし穴も避けやすくて良さそうです。




photo credit: Sean Molin Photography via photopin cc


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。