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プロテインパウダーは、どこまで飲むとムダになるのか?問題

protein

筋トレの本を呼んでいると、よく「プロテインの摂取は1回につき20〜30グラムまで」ってフレーズが出てきます。それ以上のプロテインを飲んでもエネルギーとして消費されるだけで、筋肉の発達には結びつかないって説ですね。


ただ、個人的にはちょっと疑問もあるわけですよ。というのも、古代の狩猟採集の暮らしでは、つねに満足な量のタンパク質をゲットできていたとは思えず、せっかくのアミノ酸がムダになっちゃうような進化が起きるものかなー、と。



やはりタンパク質の合成には1回20gがベスト 
そんなことを考えていたら見つかったのが、2014年に出た最近の論文(1)。これは英スターリング大学の実験で、48人の男性に筋トレをしてもらったうえで、以下の4パターンでプロテインを飲んでもらったんですね。

  • 10gのプロテインを飲む
  • 20gのプロテインを飲む
  • 40gのプロテインを飲む
  • プロテインを飲まない

それから4時間後に検査を行いまして、タンパク質の合成量(=筋肉の発達度)と、アミノ酸の分解量(=エネルギーとして使われている量)をくらべたわけです。


その結果はと言いますと、

  • 10g=筋肉への影響はなし
  • 20g=タンパク質合成量が49%アップ
  • 40g=タンパク質合成量が56%アップ

といった感じ。とりあえず、飲めば飲むほど筋肉の量は増えるものの、その効果は先細りしていく感じですね。どうもコストのことを考えると20グラムぐらいがベストなのかも。


また、2013年にも似たような研究(2)が行われてまして、こちらはエクササイズの12時間後に、以下の3パターンでプロテインを飲んでもらったもの。

  • 1.5時間ごとに10gのプロテインを飲む
  • 3時間ごとに20gのプロテインを飲む
  • 6時間ごとに40gのプロテインを飲む

結果は同じで、やはり20gを飲んだグループがもっともタンパク質の合成量が増えたんだとか。やはりタンパク質の合成に関しては、多くの筋トレ本が言うように20gぐらいがベストのようです。


ただし、飲み過ぎたプロテインもムダにはならない
とはいえ、余分にとったプロテインも、決してムダになるわけじゃないらしいんですな。2013年の論文(3)によると、どうもアミノ酸の1つであるロイシンが分解された際にできる代謝物には、タンパク質の分解をゆるめる効果がある(=筋肉の減少スピードが減る)そうなんですね。


当然ながら、筋肉を増やすには、

  • タンパク質の合成量を上げる
  • タンパク質の分解量を少なくする

といった 2つの要素が必要なわけですから、飲み過ぎたプロテインも十分に役に立つことになりますね。同論文によれば、

筋肉のタンパク質同化(※筋肉の発達)の範囲は、タンパク質の合成量だけで決まるわけではない。筋肉のタンパク質合成量とタンパク質の分解率を合わせた総合的なバランスが重要なのだ。筋肉のタンパク質同化に関しては、事実上、食事からとるアミノ酸やタンパク質の量に上限はない

とのこと。確かにタンパク質の合成に必要なのは20gぐらいだけれども、筋肉の分解を止める効果もあわせて考えると、プロテインの上限は決めづらいんだ、と。


とはいえ、もちろんこれは筋肉のことだけを考えた場合でして、全体的な健康のことを考えればやはりリミットはございます。くわしくは、「結局、タンパク質はどれだけ食べると危険なのか?」などをご参照くださいませ。


credit: sweetbeetandgreenbean via FindCC
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