文章を速く読むコツは、1行あたりの文字数を長くすること
昔から速読へのあこがれがあるんですが、イマイチうさんくさいのが玉にキズ。特にセミナー料が10万円もすることで有名なフォトリーディングなんかは、1999年の実験(1)では「宣伝のような効果は見られず、メリットがなにもない」とバッサリ斬られてまして、いよいよ不審はつのるばかりです。
という状況下で、ちょっと使えそうなのが2004年の論文であります(2)。これはレディング大学による研究で、画面に表示される文字のレイアウトによって、読書のスピードが変わるかどうかをを調べたんですね。
その結果を引用しますと、
実験の結果、より小さい文字を使い、1行あたりの文字数が増えるほど、文章を読むスピードが速くなることがわかった。
また、画面の3分の2を使って文章を表示させると、画面の3分の1を使ったときよりもスピードが速くなった。
とのこと。とにかく、1行あたりの文字数を増やしたほうが脳の負担が少なくなり、結果として文章の処理スピードが上がるっぽい。
また、このときに重要なのは、
- 文字サイズが12ポイントより下だとスピードは下がる
- 1行あたりの文字数は100文字ぐらいがのぞましい
とのこと。そんなわけで、試しにReadabilityを使って実験してみることに。
まずは、1行あたりの文字数を短くしたバージョン。
次に、1行あたりの文字数を長くしたバージョン。
いちおう読書スピードも計測してみましたが、うーん、正直なところ効果はよくわからず。 3分あたりで読めた文字量はほぼ同じぐらいで、とくに1行が長いほうが読みやすいって実感もわきませんでした。
まぁ、たとえ微妙なスピードアップだったとしても、読書は積み重ねの要素がデカいんで、チリが積もればいいかなぁぐらいの気持ちで試してみるといいのかも。統計的にはあきらかに差は出てるわけですしね。
ちなみに、Kindleを横画面モードにした実験もしてみました。やっぱり効果のほどはわかりませんでしたが、しばらくこれで使ってみようかと思います。
credit: Monkey Mash Button via FindCC