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「ブルーゾーン」で暮らすご長寿さんに学ぶ100才オーバーまで生きる5つのポイント

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遅ればせながら「ブルーゾーン」を読み終わり。ライターのダン・ビュイトナーさんがご長寿な方々が多い地域を訪ね、長生きの秘密を探っていく一冊であります。

 



ネタ元になっているのは2011年に行われた調査(1)で、世界中から80才以上の人口が多い地域を選び、「ブルーゾーン」と名付けたんですね。その地域とは、

 

  • サルデーニャ島(イタリア)
  • イカリア島(ギリシャ)
  • 沖縄(日本)
  • ニコヤ(コスタリカ)
  • ロマリンダ(アメリカ)


の5つであります。このエリアで暮らす方々は平均寿命が長いのはもちろん、心疾患や脳卒中、がん、痴呆といった現代病の発症率が極端に低いんだそうな。さらに著者いわく、

 

世界の凄い長寿者たちは、たんに長く生きているだけではなく、よりよい人生を送っている。

 

みな家族や友人と強いきずなを持ち、活動的で、しっかりした人生の目的を持っている。そして、周囲の環境も彼らの行動に答えてくれる。圧倒的に多くの長寿者は人生を楽しんでいるのだ。


とのこと。うらやましいですねぇ。



 


というわけで、ブルーゾーンに学ぶ楽しい人生のポイントをまとめますと…

1.野菜をメインに食べる

100才オーバーのご長寿さんたちにベジタリアンはおりません。ただし、みなさん基本的には野菜が中心の食生活を送っておられます。その量は先進国の平均のおよそ3〜4倍だそうな。


食材は地元で育ったカロリーの質が高い野菜がメインで、その合間にちょこちょこと良質なタンパク質を食べ、主食はサツマイモや古代の穀物(キビとかアワとか)、コーンのトルティーヤなどが多い感じです。


ブルーゾーンで多く使われる食材をならべると、


 といった感じ。とにかく食物繊維と抗酸化物質が豊富なイメージですね。タンパク源は魚と卵がメインで、牛や豚の消費量は少ない模様。

2.加工食品?なにそれ?

 ブルーゾーンの調査で際立っていたのが加工食品の少なさ。一般的な先進国の食事にくらべて、精製糖や人工甘味料、保存料、残留農薬などの摂取量が激しく少ないんですね。


お菓子などはほとんど食べず、デザートは自家製チーズかフルーツがメイン。たまに少量の自然糖(ハチミツやステビア)で甘味を楽しむぐらい。


食後の楽しみは自家製の醸造酒を1日1〜2杯ぐらいで、飲めない人は少量のコーヒーかハーブ茶をたしなんでいるそうな。研究者いわく、

長寿者がおもに食べるのは、不飽和脂肪酸、植物性のタンパク質、未精製の穀物などだ。そこに少量のアルコールが加わり、レッドミートの消費量はかなり少ない。小麦や砂糖を使った加工食品はほとんどない。


とのこと。やっぱ加工食品を減らすのが最初の一歩ですねぇ。

3.基本的に少食

日本には江戸時代から「腹八分」って健康法がありますが、ニコヤやサルディーニャ島にも食べ過ぎをいましめる風習があるらしい。基本的に、食べ過ぎは疲労と暗い気分をもたらすと考えられてるんだそうな。


当然100才オーバーのご長寿さんたちは生涯を通して肥満にならず、BMIはだいたい18〜22の間をキープ。ストレス解消のために食べるケースもなく、空腹感に従って淡々と食事をこなしているらしい。日常的にプチ断食をしてる感じですねぇ。

4.やたらとNEATが高い

ブルーゾーンの方々はジムには行かずエクササイズもしませんが、とにかくアクティブな生活を送っております。活動の基本はウォーキングで、どこに行くにも徒歩で出かけるため1日平均で8〜10キロは歩くらしい。とにかくNEAT(日常生活の活動量)のレベルが高いわけですね。

 

 

また、ブルーゾーンで行われるスポーツはヨガや太極拳など。健康のためではなくコミュニティとの関係性を高める目的で、おもに自然のなかで行われる模様。バイオフィリア対策もバッチリであります。

 

 

2012年に行われた長寿研究(2)によれば、

 

少しのエクササイズを続けるだけでも死亡率が大幅に減り、がんの予防になり、骨粗しょう症の発症率も下がり、寿命が大幅に伸びる。これは多くの研究で確認された事実だ。

 

エクササイズの内容は、心肺機能と筋肉の機能を高めるものがよい。同時に柔軟性とバランスを高められれば最高だ。


とのこと。早歩きぐらいでいいんで、とにかく毎日続けるのが大事。

 

 

5.とにかく人間関係が良好

ダン・ビュイトナーさんいわく「おそらく人間関係こそが人生を良くするもっともパワフルな要素だ」とのこと。言うまでもなく、ブルーゾーンの方々は小さなコミュニティで家族や友人と密接な関係性を築いてまして、自然に社会サポートのシステムができあがっております。

 

 

その例として挙げられているのが沖縄の「模合」。グループのメンバーで毎月ごとに決まったお金を貯め、それを定期的にひとりずつ順に給付していく相互補助システムであります。なんでもサルディーニャ島やロマリンダにも似たようなサポートシステムがあるそうで、それが住民たちのストレスを大幅に減らしているというんですな。

 

 

ちなみに経済学的には、良好な人間関係は年に760万円もの価値があるとか。それでストレスが減って体内の炎症が減れば、さらに年2700万円分の価値が加わるわけで、確かに「人間関係こそ最強の長寿ハックだ」という著者の主張にも納得であります。

 

 

まとめ

というわけで、ブルーゾーンの長寿者に学ぶ長生きのポイントでした。とりあえず腹八分を心がけつつ大量に野菜を食べ、毎日少しずつ運動し、家族や友人と仲良くやれば100才オーバーも夢ではないかも。大食いなわたしには耳の痛い話なんですが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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