このブログを検索




たった1分で45分の有酸素運動と同じ効果を持つ「SITプロトコル」とは?

HIIT

 

当ブログでは「HIITはいいよ!」 って話を何度も書いております。ハードな運動と休憩を交互に行う手法で、「7分間ワークアウト」や「タバタ式エクササイズ」などが有名どころ。

 

 

 

1分で絶大な効果を持つSITプロトコルとは?

ほかにもHIITの方法はいろいろあるんですが、近ごろ出た論文(1)では「たった1分の全力エクササイズで、45分の有酸素運動と同じ効果が!」って結果が出ててかなり良い感じでした。

 

 

実験を行ったのはマクマスター大学のマーティン・ギバラ博士。10年ぐらいHIITの研究を続けているエキスパートで、この世界では日本の田畑泉さんぐらい有名な人であります。

 

 

実験の参加者は若い男性が25名。みんな普段は運動はしておらず、体型もややぼっちゃり目の人が多かったみたい。

 

 

まずは、全員を以下の3グループにわけたんですね。

 

  1. SITプロトコル:1日10分のHIITトレーニングを週3で行う
  2. 有酸素運動グループ:1日50分の有酸素運動を週3で行う
  3. なにもしない

 

SITプロトコルはギバラ博士が推奨するHIITのテクニックで、具体的にはこんな感じ。

 

  1. 2分のウォームアップ
  2. 20秒だけ超全力でエアロバイクをこぐ
  3. 2分ほど軽くエアロバイクをこぐ
  4. 20秒だけ超全力でエアロバイクをこぐ
  5. 2分ほど軽くエアロバイクをこぐ
  6. 20秒だけ超全力でエアロバイクをこぐ
  7. 3分のクールダウン

 

これで総計10分であります。本当にツラいのは1分だけですね。

 

 

いっぽうで有酸素運動グループは、

 

  1. 2分のウォームアップ
  2. 最大心拍数の70〜80%のキツさでエアロバイクを45分こぐ
  3. 3分のクールダウン

 

みたいな感じ。ジムなんかでよく見かけるタイプの運動法ですね。

 

 



 

 

たった1分で45分の有酸素運動と同じ効果が

で、12週間後に全員の身体チェックを行ってみたら、あらビックリ。

 

  • 両グループとも心肺機能が20%向上!
  • インスリン感受性も同じぐらい改善!
  • 筋肉の機能も同じぐらい向上!

 

というわけで、どっちもほぼ同じぐらい健康になったというんですな。すげー。

 

 

なにせ、各グループの総トレーニング時間でくらべると、

 

  1. SITプロトコル:6時間(そのうち本当にキツいのは36分
  2. 有酸素運動グループ:27時間

 

ぐらいの差がありますからねぇ。すさまじい時短効果じゃないでしょうか。言わずもがな、心肺機能は長生きの最重要ポイントのひとつなんで、これは試してみるしかないでしょう。

 

 

ちなみに、見た目は「タバタ式エクササイズ」より楽そうな印象はありますが、SITプロトコルは基本的に「全力100%のさらに上まで追い込め!」って考え方がベースになってて、辛さで言ったらそんな変わらないです。どちらを選ぶかは好みかな……。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM