録音した自分の声を聞いて幸せな気分になる方法が見つかったので、実際に試してみた
録音した自分の声を聞くだけで幸せになれる方法が見つかった
録音した自分の声を聞くのは嫌なものでして、わたしもインタビューのテープ起こしをするたびに、恥ずかしさで悶絶しております。ライターあるあるじゃないでしょうか。
が、近ごろ「自分の声を聞くだけで幸せになれる方法がある!」って論文(1)が出まして、かなり面白い内容だったんで自分でも試してみました。
これは109名の男女を対象にした実験で、まずは全員に村上春樹の小説を朗読してもらい、その音声を録音したんだそうな。その後、すべての音声ファイルのピッチを変えて、
- 幸せな気分で朗読しているっぽい声
- 悲しい気分で朗読しているっぽい声
- 恐怖の状態で朗読しているっぽい声
といったバージョンを作ったらしい。もともとはあくまで自分の声なんだけど、音の強弱や抑揚などを変えて感情の違いを表現したんですね。
そして完成した音源を参加者に聞いてもらったところ、
- 自分の幸せそうな声を聞いたら、すぐに幸せな気分に
- 自分の悲しそうな声を聞いたら、本当に悲しい気分に
といった変化が出まして、実際に皮膚の湿度にも変化がみられたとか。つまり、明確に自律神経の状態が変わったわけですな。楽しげな音を聞けば幸せな気分になるのは当たり前ですが、自分の声を使ったほうが感情にあたえる効果はかなり大きくなるみたい。おもしろいもんですなぁ。
自分の声を「幸せ」っぽく変換する方法
実験に使われたソフトは公開されてますんで、さっそく自分の声で試してみました。一番上がオリジナルの音声で、以下に「幸せ版」「悲しみ版」「恐怖版」と続きます。
みなさんがどう思われるかはわかりませんが、まず自分で感じたのが「恐怖版が嫌だ!」ということ。聞いた瞬間からとにかくジットリした気分にさせられました。初めて「ホステル」を見たときのような気分と言いますか(わかりにく例え)。
いっぽうで「幸せ版」は当初は明確な気分の変化を感じませんでしたが、何度か聞くうちに妙な安堵感というか肩の荷が下りたような感覚に。まぁわたしは根っからの心配性なんで、ネガティブな音声の影響を受けやすいのかもしれません。
いずれにせよ、たった4秒の音声でも明確な違いは出ましたんで、実験のように小説の朗読を使ったらさらに効果は大きいかも。自分でも試してみたい方のために、簡単な使い方を以下に紹介しておきます。自分の感情をコントロールする方法としては、かなり手軽で効果の高いテクニックだと思いますんで、興味のある方はお試しあれ。
まずは本体ソフトである「MAX7」をインストール。続いて「DAVID」というプリセットをダウンロードして、中に入っている「DAVID.maxproj」をクリックすれば自動でMAX7が起動します。
MAX7の起動画面。「Open soundfile」から自分の音声ファイルを開きましょう。わたしはiPhoneのボイスメモを使って自分の声を録音しました。
音声の変換は画面中ほどの「EFFECT」で行います。「EFFECT」の下に並ぶ四角いボタンを押せば、「happy」や「sad」などの感情に切り替えが可能。あとは再生ボタンを押せばOKであります。