日焼け止めで皮膚がんは予防できないかもしれないんですってよ
お暑うございます。というわけで、世界的な医学プロジェクトであるコクラン共同計画から、日焼け止めの効果に関する最新のレビュー(1)が出ておりました。
これは、過去に出た日焼けに関するデータを調べ直したもので、ズバリ「日焼け止めって皮膚がんの予防になるの?」って問題をチェックしたんですな。
ご存じのとおり、紫外線は皮膚がんを引き起こす最大の原因であります。となれば、日焼け止めで皮膚がんが食い止められて当然……と思いがちですが、実際はくわしい研究ってほとんどなかったんですね。
で、あらためて研究者が過去の論文をあさったところ、まともに使えるデータは1件のみ。対象になったのは1,600名のオーストラリア人で、まずは全員を
- 日焼け止めを毎日使ってるグループ
- たまに日焼け止めを使うグループ
の2種類に分類。そのうえで、その後の4年半でどれだけ基底細胞がんと皮膚扁平上皮がんが起きるかを調べたらしい。どちらも皮膚がんのなかでは発症率が多いタイプで、メラノーマほど悪性ではないものの、注意が必要ではあります。
その結果を簡単に言いますと、
- 日焼け止めを使っても皮膚がんの発症率には変化なし!
というもの。なかなかビックリな結果ですなぁ。もちろん一件のデータだけで判断するのは危険ながら、こと皮膚がんの予防については、そこまで神経質にならなくていいのかも。
ただし、これはあくまで基底細胞がんと皮膚扁平上皮がんの話でして、メラノーマについては「住む地域によって日焼け止めの予防効果が変わる」ってデータが出てますんでご注意ください。くわしくは「『日焼け止めが皮膚がんの原因に!』はどこまで正しいのか?」をどうぞ。
まぁ、よしんば日焼け止めで皮膚がんが予防できなくても、光老化を防ぐために欠かせないのは間違いないんで、やはり小まめに使っていきたいところ。具体的な商品の選び方は、アメリカ皮膚学会のガイドラインが参考になるかと思います。どうぞよしなに。