実は内向的な人ほど組織のリーダーには向いている
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/09/blog-post_13.html
こないだ、アダム・グラントの「ORIGINALS」を読みまして、このなかに出てた「内向的な人は組織のリーダーに向いている!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはアダム・グラントが2011年に行った実験で、「内向的な人って本当にリーダーに向いてないの?」って疑問について調べたもの。一般的には、外向的でガンガン意見を言えるような人ほど、組織のボスにふさわしいイメージがありますけど、それって本当なの?って話ですな。
で、この研究で目をつけたのが、ピザの宅配チェーンであります。アメリカにある130のデリバリーピザ屋に協力をお願いして、まずはそれぞれの店長に性格テストを実行。さらに部下にもインタビューを行って普段の働きぶりをチェックしたうえで、各店の売り上げと比較したらしい。
そこでわかったのが、
- 部下に積極性がない場合:外向的なリーダーのほうが売り上げが16%上がる
- 部下に積極性がある場合:リーダーが外向的だと売り上げは14%下がる
みたいな感じ。なんでも、部下が積極的にアイデアを出してくるような状況では、イケイケのリーダーシップは裏目に出ちゃうらしい。まぁわかる気がしますな。
さらに、もうひとつの実験では、163人の学生を対象に以下のような調査をしたらしい。
- 全員に「10分で大量のTシャツを折りたたむ」という作業をしてもらう
- 参加者は5人ずつのグループにわかれ、それぞれ1人のリーダーを作る
- その際、半分のグループには、イケイケなリーダーシップの素晴らしさについて教えこむ(ケネディとかマーチン・ルーサー・キングJrとか)
- 残り半分のグループには、内向的なリーダーの素晴らしさを教えこむ(ガンジーとかリンカーンとか)
その結果がどうなったかと言いますと、
- リーダーが内向的にふるまったほうが作業効率は28%アップした
- 外向的にふるまったリーダーは部下から「ウザい」「怖い」と思われ、作業効率は低下した
みたいな感じ。内向的なリーダーは他人の話をよく聞くんで、部下が「認められた!」と思いやすく、結果としてモチベーションがアップするんだそうな。これもよくわかる話ですね。
というわけで、「内気だけど上司になってしまった…」みたいな人には、よい話ではないかと思います。とりあえず、内向性がリーダーシップに悪影響だってデータはないようなんで、「もっと積極的にいかなければ…」とか思い悩む必要はなさげです。