ガンコな脂肪を焼きつくす3つの手段:「部分やせ」はどこまで可能か?#4
というわけで、「部分やせ」について考えるシリーズの4回めです。
第3回めでは、ガンコな脂肪を燃やすための科学的なメソッドを取り上げまして
- プツ断食をする
- 脂肪燃焼スイッチをオンにするサプリを飲む
- エクササイズをする
ってな方法を紹介しました。燃えにくい脂肪を燃やすには、いまのところこれがベストなんじゃないかと。
が、いろいろ調べてみますと、ほかにもガンコな脂肪を燃やす効果がありそうな方法があったりもします。代表的なものを、いくつか並べておきましょう。
1.低出力レーザー
低出力のダイオードで短い波長のレーザーを当てる方法。医療現場では大昔から使われていて、日本だと育毛用ヘアブラシに使われてたりします。
具体的なデータは「近赤外線で髪が生える!脳の機能があがる!みたいな話」でも紹介してますが、ここ数年は、「脂肪を燃やすのにも効くんじゃない?」みたいなデータがいろいろ出てたりします。たとえば、
- 40人の男女に2週間ほど低出力レーザーを当てたら、二の腕が3.7センチも細くなった(使わなかったグループは0.2センチ減)(1)
- 20人の女性に週3でエアロバイクをこいでもらいつつ、近赤外線を浴びてもらったら、4週間で8センチもウエストが細くなった(2)
- 40人の男女に週2で低出力レーザーを浴びてもらったら、4週間でウエストが2.5センチ減った(3)
などなど。ほかにも似たようなデータが多いうえに、どれも実験デザインがいいので、まぁ何らかの効果があるのは間違いないかと思われます。
2009年にイリノイの整形外科医院が出した論文(4)によれば、
ここ数十年の研究により、低出力レーザーでボディラインに影響をあたえられることがわかってきた。低出力レーザーにより全身の体脂肪が減るが、なかでも集中的にレーザーを当てたエリアへの効果が高い。
とのこと。もちろん、カロリー制限と組み合わせないと効果は出ないものの、ガンコな脂肪を燃やす方法としては、低出力レーザーはかなり有効っぽい。
ただし、これには問題がありまして、
- エステでやると、効果のわりに値段がバカ高いのでオススメできない
- 家庭で手軽にできるような装置があんまない(なくはないけど)
みたいなところであります。とにかく、エステでやるのはコスパが悪すぎるんで、近づかないほうが無難でしょう。数万円をかけて数ミリグラムの脂肪が減っただけ、みたいな話になりかねませんので。
2.ローション系
もちろん「塗れば痩せる!」なんて商品はインチキに決まってるわけですが、一部には、なかなか見込みのせる成分も出てきております。
これに関しては、すでに1987年にまとまった論文(5)が出てまして、
- アミノフィリンを配合したクリーム
- テオフィリンを配合したクリーム
あたりはかなり有望。本来は、どっちも喘息の治療に使う成分なんですが、ホスホジエステラーゼって酵素の働きをブロックして、脂肪細胞から脂肪酸をリリースする作用が確認されてるんですね。
実際、「アミリーン」とか「コンフォート・スパ」とか、上記の成分を使ったスリムローションも、いくつか発売されております。が、なんせどっちもお値段が高いわりに有効成分がちゃんと入ってないんで、当ブログではまったくオススメしません。
まぁ現時点では、ローション系に手を出すのは止めといたほうがいいでしょうねえ。
3.ヒートランプ
ヒートランプは, 要するに赤外線ランプのこと。暖房器具にも使われる遠赤外線で、脂肪を温める作戦であります。
というのも、シリーズの第2回でも書いたとおり、ガンコな脂肪が燃えにくいのは、ほかのエリアよりも血のめぐりが悪いからであります。血流があがれば脂肪の燃焼スイッチが入るのは当然でして、1980年代から、皮膚の表面を暖めれば、皮下脂肪が溶けやすくなるという現象が確認されてたりします(6)。
実験だと、だいたい皮膚にヒートランプを2分当てるだけでも、かなり血流はアップする模様。いまのところ「ヒートランプで痩せたよ!」って実験がないのがツラいところなんですけど、まぁ理論的にはかなり使えるんじゃないかと。
まとめ
というわけで、現時点で見込みがありそうなテクニックは以上のとおりです。個人的には、低出力レーザーとかかなりいい印象。
ただし、いずれも「手軽に使える機械が無い!」とか「まともな商品がない!」とか「データが足りない!」といった難点を抱えてまして、気軽にオススメしづらいのが問題ではあります。
というわけで次回は、以上のデータをすべてふまえたうえで、現実的に実行が可能な「最強のガンコな脂肪燃焼テク」について考えてみたいと思います。