1日に3〜4個の卵で体脂肪が減るかも?
卵こそが真のスーパーフードである
「卵の食べ過ぎはよくない!」と言われたのは昔の話。ここ十数年で卵の地位はだいぶ復権しまして、近年では「肉と卵を食べてもコレステロールは増えないし心臓病にもならない」って話が普通になってきたどころか、「卵がアンチエイジングに効く!」なんてデータも多かったりします。
なんでこういうことになるかといえば、
といったあたりが大きい感じ。そこらの健康雑誌に載ってるようなスーパーフードよりも、よほど上等なスーパーフードだと言えましょう。
カロリーオーバーの食事に卵を追加
ってところで、今度は「1日に3〜4個の卵で体脂肪が減るかも?」ってデータ(2)が出てきまして、かなりおもしろいです。
これは江原大学校の論文で、マウスを対象にしたもの。実験デザインは以下のような感じ。
- 食事は好きな量だけ食べさせる
- いつもの食事にくわえて、
- 体重1kgあたり5mgの卵の黄身を追加
- または、同じカロリー量の豚の脂身を追加
- または、ただの生理食塩水を追加
- 期間は6週間
カロリーが多い状態で、卵が黄身がどんな影響をあたえるかを調べたわけですね。そのうえで、全固体の体重や血液を調べたところ、
- 脂身を食べたグループだけは、総摂取カロリーが低下していた
- ところが、黄身と生理食塩水のグループのほうが、体重の増え方は少なかった
- しかも、黄身を食べたグループは、脂身グループにくらべて、内臓と腹部脂肪の量が10%少なくなった。生理食塩水グループとくらべても、黄身を食べたほうが脂肪が少なかった
みたいな結果だったらしい。要するに、卵の黄身を食べたグループは、ほかのグループより多く食べていたにも関わらず、もっとも体に脂肪がつかなかったわけです。おもしろいですねぇ。
卵がコレステロールの取り込みを防ぐ
研究者いわく、
卵を食べたグループは血中脂質が減り、いっぽうで豚の脂を食べたグループはLDLコレステロールが増加した。この現象は、ヒトを対象にした過去の実験でも裏づけられている。
(中略)
多くのデータでは、黄身にふくまれるレシチンが血中コレステロールを下げる現象が確認されている。レシチンが小腸でコレステロールの吸収をふせぎ、便として排出させるのだ。
とのこと。卵はコレステロールが多い食材なんだけど、実はコレステロールの取り込みを防ぐ働きがあるんだ、と。
ちなみに、体重1kgあたり5mgの卵の黄身ってのは、人間でいうと1日3〜4個ぐらい。まだマウス実験の段階なんで、さすがに「毎日4個の卵を食べよう!」とまでは主張できないんですけど、卵で血中脂質がよくなる現象が人間でも何度か確認されるのも事実(3)であります。
とりあえず、現時点では「毎日1〜2個は卵を食べよう!」ぐらいのことは言ってもよさげ。わたしも今は1日に1〜3個ぐらい食べてますが、昔よりコレステロール値はいいですからねぇ。