体幹トレーニングって本当に意味があるの?
体幹を鍛えるベストの方法は?
ここんとこ、体幹トレーニングに関する論文をいろいろ読んでおりました。
体幹トレーニングは、人体のバランスや背骨の安定などに必要な筋肉を鍛える方法。体幹は「天然のコルセット」とも言われてまして、こいつが弱いと、腰椎や椎間板にムダな負担がかかってエラいことになります。
ってことでおもしろかったのが、2013年に南フロリダ大学から出た論文(1)であります。過去のデータを大量にまとめて「体幹を鍛えるベストの方法は?」ってあたりを調べてくれたんですね。
なんせ、世間にはさまざまな体幹トレーニングがありまして、パワーヨガがいいだとか、バランスボールがいいだとか、いろんなテクニックがしのぎを削っている状態。やはりベストな手法を知りたいのが人情であります。
結局は普通の筋トレがベスト
この論文は、およそ3,000件の過去データをまとめた系統的レビューになってまして、科学的な信頼性としてはかなり高め。筋電計を使った実験をベースに、「どのエクササイズでもっとも筋肉が刺激されたか」が基準になっております。
その結論がざっくり並べると、
- 約3,000件のデータのうち、実験デザインが良いものは17件しかなかった
- シットアップやプランク、バランスボール、ヨガといった定番の体幹トレーニングをくらべた場合、結局は「普通の筋トレ」がもっとも効果が高かった
みたいな感じです。
つまり、体幹を鍛えるのに特殊な器具を使ったり、特別なトレーニング法をする必要はなし。普通にダンベルを使って筋トレをしたほうが、よほど効率よく体幹は向上するわけですね。
一般人が体幹トレーニングをする必要はなし!
研究者いわく、
プロのトレーナーがクライアントやアスリートを指導するときは、体幹に特化したトレーニングよりも、フリーウェイトを使った普通の筋トレに集中したほうがいい。そのほうが適切に体幹の筋肉を鍛えることができる。それが、現時点でのエビデンスによる結論だ。
とのこと。以前から「腹筋トレーニング器具はすべてムダ」や「体幹トレーニング器具は無意味」ってデータはあったものの、これでほぼ体幹トレーニングについては結論が出た感じですなー。
そんなわけで、プロのスポーツ選手でもない限りは、わざわざ一般人が体幹トレーニングをする必要はなし。普通に筋トレに専念したほうが、時間を有効に使えそうであります。