大事な作業の達成率をグンと高める「連想リマインダー」テクニック
目標の達成率を高めるリマインダーの使い方とは?
日々の作業をこなすのに、リマインダーを使ってる人は多いはず。アプリの通知機能を使ったり、ポストイットをデスクに貼ったりとか。
が、いっぽうでリマインダーの通知を受け取ったものの、なんとなくやる気がわかず、作業をダラダラを先延ばしにしちゃうってケースも多いかと思います。ありがちな問題ですねぇ。
そこで非常に参考になる論文(1)が、ハーバード大から出ておりました。「より作業を達成しやすくするリマインダーの設定法」について調べた、おもしろい研究であります。
連想リマインダーで目標達成率がグンとアップ
ここでは5パターンの実験が行われたんですが、そのうちひとつは249人の男女を対象にしたもの。全員にあるアンケート調査をお願いしたうえで、「必ず最後に『上記のどれでもない』にチェックをいれてください」という指示をあたえたんですね。
で、その際に参加者を半分にわけて、それぞれのグループに以下のような2パターンのリマインダーを見せたんだそうな。
- 文字だけグループ:「『上記のどれでもない』にチェックをいれること」と文字だけで書かれたリマインダーを見せる
- 連想リマインダー:「トイストーリーのキャラを見たら『上記のどれでもない』にチェックをいれることを思い出してください」と教えたうえで、トイストーリーのキャラだけが描かれたリマインダーを見せる
「連想リマインダー」は、明確な作業の内容を文章で示すのではなく、なんらかの象徴的なイメージで代用する方法のこと。具体的には、以下のようなフライヤーをリマインダーとして使ったらしい。
パッと見は、具体的な指示が書かれたリマインダーのほうが優秀なように思えますが、結果は連想リマインダーの圧勝。文字だけグループの達成率が78%だったのに対し、連想リマインダーを使ったグループは、92%がちゃんと作業をこなしたらしい。なかなかの差ですねー。
連想リマインダーで36%の向上がみられた
さらに、この論文ではフィールド実験も行われております。今度は500人の男女が対象で、まずは全員にクーポンを渡したうえで、「必ずカフェで使うようにしてください」とお願いしたんですね。
2日後、参加者たちは指定されたカフェに行き、以下の3パターンでリマインダーを見せられたんですな。
写真の上から、
- aグループ:リマインダーなし
- bグループ:文字だけのリマインダー
- cグループ:連想リマインダー(トイストーリーのキャラクター)
って感じですね。その結果は前の実験と同じで、やっぱり連想リマインダーの勝ち。文字だけのリマインダーにくらべて、なんと36%も実行率が上がったというから凄いもんです。
連想リマインダーのポイント
研究者いわく、
連想リマインダーは、数多いリマインダーテクニックのなかでも、もっとも目的の達成に役立つ方法のひとつだ。
とのこと。たんに文字だけのリマインダーよりも、なんらかの「目立つもの」を使ったほうが、目標を達成しやすくなるみたい。これは、さっそく自分も応用のしてみたいところ。
ちなみに、ここで大事なのは、連想リマインダーに使うものが、環境のなかから「浮いて見える」とこ。たとえば、熊の人形をリマインダーに使う場合は、以下の写真bのような状態だと効果が消えちゃうのでご注意ください。