魚をフライで食べると不健康になっちゃうぞ問題
魚の健康効果には地域差がある?
「パレオダイエットの教科書」では「タンパク源は魚が最強!」って説を主張しております。まぁ魚のアンチエイジング効果については、いまさら言うまでもありますまい。
といっても魚であれば何でもOKなわけではなく、一部のデータでは「魚で不健康に!」って結果も出てたりするのが難しいところ。近ごろケンブリッジ大から出た論文(1)によりますと、
いくつかの観察研究を調べると、魚の消費量と糖尿病の発症リスクには大きな食い違いがあり、決定的な答えが出せない。メタ分析をチェックしても、魚の効果には大きな差がみられる。
必ずしも魚さえ食べれば健康になるわけではなく、人によっては糖尿病の発症リスクが22%アップするケースもあったんだそうな。この違いがどこから出たのかというと、
これは地域的な差によるところが大きい。アジアでは「魚を食べたほうが健康になる」とのデータが多いが、ヨーロッパでは健康効果は消え、さらにアメリカでは逆に魚を食べるほど発病リスクが高まるのだ。
とのこと。どうやら魚の健康効果には地域差があるらしい。
魚の調理法と健康リスクを調べた
と、ここでお気づきになった方もいらっしゃいましょう。「それって調理法の問題じゃないの?」と。日本人は魚を生で食べたりするけど、アメリカ人はフライ調理がメインですからね。
ケンブリッジ大の研究者も同じことを考えまして、35,583人のスウェーデン人男性を15年にわたって調査。魚の消費量と糖尿病の関係を調べたんですね。
揚げ魚は糖尿病リスクを高める
そこでどんな結果が出たかというと、
- いろんな変数を調整すると、全体の魚の消費量は糖尿病の発症リスクとは関係がない。
- ところが、月に6回ほど揚げ物の魚を食べた場合は、月1回以下の人にくらべて糖尿病リスクが16%アップする
って感じ。やっぱり揚げ物が健康の大敵だったらしい。その原因は肉の揚げ物と同じで、
- AGEsが増える
- 高温で健康な脂肪が減る
- DNAに損傷を起こす物質が増える
- 揚げた際に魚のビタミンが流れ出す
といった問題を抱えているからだそうな。とにかく肉でも魚でも高温はNGってこってすな。
焼き魚までなら問題ない
では、どこまでの調理法ならOKなのかといえば、
- 刺し身、茹で魚、蒸し魚はもちろん問題なし!
- 2006年論文(2)では、焼き魚でも健康効果が確認されているので多分OKでしょう!
って感じ。極論を言えば刺し身が最強なんでしょうが、揚げ物さえ避ければ、そこまで調理法にこだわる必要はないみたいっすね。
もっとも、今回の調査は「料理油の種類」や「衣の有無」などについては調べてないんで、そのへんも多少気になるとこではあります。そんなわけで、特に糖尿人の方は、揚げ魚にはくれぐれもご注意ください。天ぷら好きは月イチぐらいまでにしといたほうがよさげです。