「ノルウェイ式HIIT」で体が細胞レベルで若返ることがわかったぞー
HIITにもいろいろありますが…
「パレオダイエットの教科書」では、「運動したきゃHIITがオススメ!」と強調しております。HIITってなに?という方は、「いまさら聞けない「HIIT」超入門」をどうぞ。
ただ、HIITといってもいろんな流派がありまして、たとえば日本人が開発したタバタ式トレーニングなんかが有名なところ。ほかにもSITやらマクマスター式などいろいろありまして、それぞれに高い効果が確認されております。
ノルウェイ式 HIITってなに?
で、新たにご紹介するのは、「ノルウェイ式」と呼ばれるHIIT。名前のとおり、ノルウェイで多く研究されているテクニックであります。
どんな方法かと言いますと、
- 5分のウォームアップ
- 4分だけ全力で運動(最大酸素摂取量の85〜95%)
- 3分だけ軽い運動
- 4分だけ全力で運動
- 3分だけ軽い運動
- 4分だけ全力で運動
- 3分だけ軽い運動
- 4分だけ全力で運動
- 5分のクールダウン
って感じです。ほかのHIITにくらべて、1回の全力運動と休憩タイムが長いのが特徴ですね。実際に何度か試してみましたが、最大酸素摂取量の90%ぐらいで4分を走るのはかなりのツラさではあります。
ノルウェイ式を12週間試した
実にシンプルな方法ですけど、最近のセルメタボリズムに「ノルウェイ式HIITで体が若返りまくり!」って論文(1)が出まして、かなりいい感じなんですよ。セルに掲載されたってのも信頼性があってよいですねー。
これはメイヨークリニックの実験で、72名の男女を対象にしたもの。まずは全体を若者チーム(18〜30才)と高齢チーム( 65〜80)にわけて、3パターンのエクササイズをしてもらったんですね。
- 週3でノルウェイ式HIIT(エアロバイクを使用)
- 週2で筋トレ (4セット × 8–12回)
- なにもしない
そして12週間に全員の筋肉細胞やインスリン感受性を調べたところ、
- 筋肉量は筋トレグループがもっとも増えていた(これは当然)
- が、ノルウェイ式HIITグループは、細胞レベルで体が若返っていた
みたいな変化が出てたんですな。具体的にどういうことかと言うと、
- 若者グループはノルウェイ式でミトコンドリアの性能が49%アップ
- 高齢グループはノルウェイ式でミトコンドリアの性能が69%アップ
- 全体的にインスリン感受性も大きく改善
って感じです。すごいですねー。
ノルウェイ式HIITで細胞の「サビ」が取れる
言わずもがな、ミトコンドリアは体のエネルギーを生み出す重要な期間。こいつの性能が落ちれば毎日がイキイキしなくなるし、メンタルも悪化すると考えられております。ミトコンドリアの性能が69%も上がるってのは、なんとも素晴らしい結果ではないかと。
研究者いわく、
HIITの効果が大きいのは、細胞内の損傷したタンパク質を掃除してくれるところも大きい。エクササイズをしないグループを調べたところ、筋肉細胞の内側に損傷したタンパク質が溜まっていた。
ところが、HIITを行ったグループには、この現象がみられなかった。HIITには損傷したタンパク質の蓄積を防ぐ効果があるようだ。
とのこと。年を取ると、誰でも筋肉細胞の内側に酸化ダメージを受けたタンパク質がたまっていくもんでして、これが老化を引き起こす原因のひとつと考えられております。金属にサビがこびりついていくようなイメージですな。
ところが、週3でHIITをやることで細胞内のサビが取れて、新しいタンパク質に生まれ変わるそうな。まさにアンチエイジングですね。
ノルウェイ式HIITを実践するには?
さらに研究者いわく、
もし「エクササイズをひとつだけ選びなさい」と言われれば、私はHIITを推薦する。しかし、週に3〜4回のHIITを行い、これに2日の筋トレをプラスできれば最高だ。
だそうな。私も「パレオダイエットの教科書」で似たような運動メニューをオススメしてるんで、この見解には大賛成だったりします。
ちなみにノルウェイ式HIITを試すには、自分の最大酸素摂取量を把握する必要がありますけど、とりあえず「心拍数から最大酸素摂取量を推測するコンバーター」を使うのがラクだと思います。自分の年齢と目標の最大酸素摂取量(90ぐらい)を入力すると、ざっくりした目標心拍数を出してくれますので。
また、「心拍計がない!」という方には、最近では「Fitbit Charge2」などが使いやすくていい感じです。自分もしばらくノルウェイ式をやってみるかな…。