お肌の難病「乾癬」にパレオダイエットはどこまで効くのか?問題
乾癬治療はかなり難しいが…
昨日の「糖尿病食よりパレオダイエットが効いたよ!」って話に続いて、今回もパレオダイエットに関する論文(1)のご紹介です。
これはカリフォルニア大学の調査で、テーマが「どこまで乾癬に食事で立ち向かえるか?」みたいな感じ。乾癬ってのは皮膚の病気で、肌が赤く腫れ上がったりボロボロになったりといった状態が慢性的に続く謎の症状です。
いまのところ原因は不明で、これといった治療法がない難病のひとつ。そのせいで怪しげな民間療法が出回ってて、わりとサギの温床になりがちだったりします。
食事の改善が効く可能性はかなり高い
ただ、わりといろんなデータでコンセンサスが取れてるのが「とりあえず食事の改善は乾癬に効く!」って見解(2)。もちろん単体ではそこまでの効果はないものの、伝統的なステロイドやビタミンD3外用薬などと組み合わせると、わりと良い成果が出ることがわかってるんですな。
乾癬で除去すべき食品は?
で、このカリフォルニア大論文では、乾癬の患者さん1,206人を調べて、どの食事法が症状の改善に効いたかをチェックしていったんですね。で、まずは普段の食事から取り除いて良かったもののランキングを並べていくと、
- アルコール 53.8%
- グルテン 53.4%
- ナス科植物 52.1%
- ジャンクフード 50%
- 小麦系の食品 49.9%
- 乳製品 47.7%
- 貝類 39%
- 高脂肪食 36.9%
- カフェイン 36.4%
- 豚肉 35.6%
- タバコ 35%
- 塩分 21.2%
こんな感じ。各項目のパーセント表記は「この食品を取り除いたら症状が改善した!」と答えた人の割合です。やっぱ全体的には炎症を引き起こしやすい食品が多いっすね。
摂り入れるべき食品は?
では、逆に「この食品を取り入れたら症状が改善した!」もののランキングを並べていくと、
といったところ。こちらもやはり昔から「炎症に効く!」ってものばかりがリストアップされてますね。まぁ乾癬って基本的に炎症が皮膚に出まくった症状なので、やはり抗炎症性の食事は効きやすいんでしょうな。
抗炎症性の食事のほうが効きやすい
さらに、「乾癬に良かった食事法」を並べていくと、
- パガーノダイエット 72.2%(全体の食事の7〜8割を野菜とフルーツにして、残りを野生肉にする食事法)
- ヴィーガン 70%
- パレオダイエット 68.9%
- グルテンフリーダイエット 52.9%
- 低糖質ダイエット 51.7%
- 地中海式ダイエット 48.4%
- ベジタリアン 40.4%
だったそうな。パガーノってのは以前から「乾癬にいい」と言われてた食事法で、野菜をメインに肉をちょっとだけ食べて、ジャンクフードや精製食品、カフェイン、アルコール、ナス科植物、貝類なんかを取り除くもの。ほとんどアレルギー除去食に近い感じですね。
こうしてみると、やはり全体的には抗炎症性の食事法が効くんだなーって印象。抗炎症効果が高いはずの地中海式ダイエットのランクが低いのが不思議ですが、穀類を普通に食べてもいいとこが裏目に出たんだろうか…。このあたりは謎。
まとめ
ってことで、乾癬にお悩みの方がいらっしゃれば、「炎症を抑える食事法はどれだ?」ってとこに気を使ってみるのがよさげ。パレオダイエットでもヴィーガンでもいいですが、徹底的にやりたいときは、
あたりが参考になるかもしれません。ちなみにこれは乾癬患者さんのデータですが、要は炎症の問題なので「肌が弱くて…」ぐらいの方にも効くような気はいたします。