10代のころからの親友がいない人は成人後にメンタルヘルスが崩れがち問題
「青年期から続く友情は大人になってからのメンタルヘルスに効果大!」という、高校時代からの友達がひとりもいない私にはツラい論文(1)が出ておりました。
友情とメンタルヘルスの関係を10年調べた
これはバージニア大学の研究で、参加者は169人の男女。全員が15才の時点から調査をはじめまして、
- それぞれの親友にインタビューして、互いの信頼度や親密さをチェック
- 毎年、全員に質問紙をわたして不安、鬱、自尊心のレベルをチェック
- 以上の作業を10年にわたってくり返す
ってデザインで研究を勧めていったんだそうな。手間がかかるリサーチには頭が下がります。
長い親友がいるほど自尊心が高い
で、その結果はかなりハッキリしてまして、
- 10年来の親友がいる者ほど25才の時点で鬱や不安が少なく、自尊心が高い!
- というか、親友がいる人は15才の時点よりもメンタルが改善してた!
って結果だったんですな。もちろん、家庭環境や年収のような要素は調整されております。
ちなみに、この研究では「親友がいる人」のほかにも、「多くの人に人気があった生徒」や「他人から好かれやすい生徒」のその後も調べてたりします。が、意外なことに「親友がいる人」のように、10年後になって鬱や不安の低下はみられなかったんだそうな。つまり、うすーく大勢から人気があるよりも、ひとりの大親友がいたほうがメンタルには効くわけですな。
若年期の友情は超大事だが…
研究者いわく、
この発見は、若年期の友情の重要性を示している。そのメリットは短期間だけでなく、成人後にも続くのだ。ここまで明確な相関が出るケースも珍しい。
ってことで、かなり親友とメンタルヘルスにはハッキリしたつながりがある模様。
こういった現象が起きる理由について研究者チームは、若い頃の友情は「特に人格形成のサポートに役立つんじゃない?」とか「10代にありがちなストレスのバッファーになるんじゃない?」といった推測をしておられます。まぁハーバード研究でも「人間の幸福に大事なのはIQでもお金でもなく、なんだかんだで人間関係」って結論なので、当然といえば当然なのかもですが。
ちなみに研究者いわく、
そうはいったも、若年期に親友がいなかったからといってすべてが終わるわけではない。
という一応のフォローもしてくれてたりします(笑)。いまからでも遅くないからがんばれ!ってことですかねぇ。