隠し事をしてもメンタルは病まないが、隠し事について考えるとメンタルを病む問題
13,000件の隠し事について調べた
「隠し事は悪いことじゃない!」って心理学の論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはコロンビア大学の研究で、10種類のリサーチを行って、およそ13,000件分の「隠し事」について分析したもの。具体的には、参加者たちにインタビューをしまくって、「お金についての秘密はある?」とか「趣味について隠してることはある?」「犯罪をおかしたことはある?」といった内容を聞いてったんですな。
みんな平均で13件の秘密を持っている
そのうえで、全員の幸福度や健康レベルとくらべていったところ、まずなにがわかったかと言いますと、
- ひとつも隠し事がない人は全体の3%だった
- 隠し事の平均はひとりあたり13個だった
- 13の隠し事のうち、平均で5つは誰にも話したことがないものだった
- もっとも多い隠し事は浮気
みたいな感じ。このへんは「さもありなん!」ってとこですな。逆にひとつも隠し事がない人が3%もいたほうがビックリというか。
隠し事について考えると幸福度は下がる
で、さらに隠し事と幸福&健康の関係がどうだったかというと、
- 隠し事の量はとくに幸福と健康レベルを左右しなかった
- 問題は自分の隠し事について「1日のうちにどれだけ考えるか?」だった
- 隠し事について考えることが多い人ほど、人生に満足していないと答え、自分のことを「ニセモノだ」と感じるケースが多かった(いわゆるインポスターシンドローム)
って結果だったそうな。隠し事がたくさんあっても別に悪影響はないんだけど、隠し事についてよく考えちゃうような人は、幸福と健康の両方にダメージが出るらしい。
具体的な数値でいうと、
- 健康インデックス:隠し事について週一以上考える人は100点満点で49点。逆に隠し事について週一も考えない人は66点が平均。
- 幸福度インデックス:隠し事について週一以上考える人は10点満点でマイナス2点。逆に隠し事について週一も考えない人は0点が平均。
といったところです。最近の研究だと「メンタルをやられちゃう一番の原因は反すう思考だ!」って考え方が一般的なので、この結果には納得。問題は隠し事の量じゃなくて、隠し事に対する自分の反応なわけっすね。
まとめ
研究者いわく、
秘密を隠そうと頑張る行為そのものが、私たちにさらなるダメージをあたえるのだ。また、さらに悪いことに、もしあなたの秘密が別に隠すような必要がないものだったとしても、そのことについて考えるだけで状況は悪化する。
逆に言えば、いくら秘密を抱えていようが、その秘密に対する接し方さえ変えれば、ネガティブな影響をやわらげることができる。
とのこと。従来の研究だと、「隠し事で精神が病むのは、それだけ後ろめたいことがあるからだ!」と言われてきたんですけど、実は秘密そのものは持ってても別にいいわけっすな。
ってことで、人には言えないようなことが多い方は、
あたりを参考にしてみるとよいかもしれません。どうぞよしなに。