いまだ決着がつかない「筋トレは朝やるか夕方にやるか問題」を改めて考える
昔から「トレーニングは午前にやるか?午後にやるか?」みたいな議論があるんですよ。
と申しますのも、一説には「朝は体がまだ運動の態勢になってないから不利!」という意見があるいっぽうで、逆に「午後は体が休もうとするから不利!」みたいな主張もあるんですな。いちおう過去には「午後の方が筋肉は育つんじゃない?」ってデータ(1)が出たりもしたんですけど、さらに昔には朝でも夜でも大差なし!ってデータ(2)もあったりして、まだいろいろと錯綜してたりとか。
といったところで新しい論文(3)では、この問題を深掘りしてくれておりました。
これは25人の男性を対象にした実験で、20〜30歳の健康な人ばかりを招集。とくに筋トレ歴がない人だけを選んだらしい。
実験期間は11週間で、全員に同じような筋トレをしてもらいつつ、全体を3つのグループに分けております。
- 朝にトレーニングする(6:30〜7:30)
- 午後にトレーニングする(16:00〜17:00)
- なんのトレーニングもしない(コントロール群)
筋トレの手法は週2ずつ全身を鍛えていくパターン。ベンチプレスやレッグプラスなどの定番を10回ずつ5セット行ったらしい。
で、その結果がどうだったかというと、
- どっちのグループも同じぐらいの変化
だったらしい。筋力、筋肉量、テストステロンの量、ストレスホルモンの量など、とにかくいろんな面で統計的に差がなかったそうな。うーん、ちょっと意外。
というのも、過去のデータを見てると、朝には一時的に筋力が下がるよ!ってデータが結構あって、「朝の神経不足(morning neuromuscular deficit)なんて専門用語もあるぐらいなんですよ(4)。この事実だけ取り出せば、やっぱ「朝の方が不利なのかなー」とか思っちゃうわけです。
しかしまぁ今回のデータを見る限りでは、どうも朝の筋力低下は短期的なもので、11週間も続けてれば別に問題ないってことなんでしょうな。いろいろ総合すると、別に朝でも好きな方を選べばいいんじゃない?って感じ。もちろん、いっぽうで朝に神経の低下が起きるのも間違い無さげなんで、もし午前の筋トレで「力が出ないなー」と思ったら、午後メインに切り替えて行く方向でよろしいのではないか、と。