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GMOの「カビ毒」ってどこまで危険なの?のメタ分析が出たぞー

Corn

遺伝子組換えコーンについて、改めて徹底的に調べてみた

以前に「遺伝子組み換え食品って安全だよなぁ」って話を書いたことがありまして。ざっくり言うと、遺伝子組み換えで作られた作物(GMO)って、いまのところ人体の安全性もかなり確立されてるし、農薬の量も減らせるしでやっぱすごいねーみたいな話です。

 

 

で、近ごろ出た大規模なリサーチ(1)も、やはり「GMOは素晴らしい!」って結論でして、アンチ遺伝子組み換派を逆なでしそうな内容になっておりました。

 

 

これはイタリアで行われた研究で、1996〜2016年に行われた6006件のデータを精査したメタ分析になっております。なので、科学的な信頼性はかなり高め。

 



 

遺伝子組換えコーンのカビ毒はどうなのよ?

この研究は、おもに遺伝子組み換えのコーンを対象にした実験を調べていて、

 

  • 出来上がった作物の量はどうか?
  • コーンにカビ毒(マイコトキシン)はないかどうか?

 

といったところをチェックしてます。マイコトキシンはカビの代謝物のことでして、こいつがたまった作物を食べると、癌の発症率が上がったり慢性炎症が起きる原因になったり。つまり、カビ毒が少ない作物ほどアンチエイジングには良いと言えるわけっすね。

 

 

でもって、すべてのデータから質が低いものを取り除いて残ったのは76件。それでなにがわかったかと言いますと、グラフを見ていただくとわかりやすい感じでです。

 

GMO1

まず、上段の「yeild」コーンの生産量の違い。どの品種を見ても、あきらかにGMOのほうが生産量が上がっております。特に4種類をかけ合わせたQSの生産量が高いですねぇ。

 

 

遺伝子組換えコーンはカビ毒が非常に少なかった

さらに、消費者にとって大事なのが下段の「Damaged ears」のとこ。これはコーンがどれだけ菌に感染してるかの指標になりまして、これが少なければ少ないほどマイコトキシンは減ってくわけっすね。ご覧のとおり、こちらの数値も、遺伝子組み換えのほうがかなり優秀な成績を叩き出しております。

 

GMO2

 

こちらは、実際に遺伝子組み換えコーンにどれだけマイコトキシンがふくまれてルカ?を示したもの。フモニシン(Fumonisins)やトリコテセン(THricotecens)は有名なカビ毒で、ヒメヨコバイ(cicadellidae)やコマユバチ(braconidae)は穀物につく害虫の一種。全体的には、GMOのほうががっつりマイコトキシンは減るみたいなんですな。

 

 

ちなみに、この研究ではGMOの栄養プロファイルも調べてまして、特に普通のコーンとの違いは見られなかった、とのこと。たんぱく質、脂質、食物繊維、ポリフェノールの量なども特に変わらなかったんだそうな。なんかいいとこばっかですな。

 

 

まぁそうは言いましても、この手の話は感情的な反発が大きいので、いくらメタ分析で「GMOは良い!」と言ったところで、信じない人が出るのはいたしかたないところ。それでも不安な人は今後も遺伝子組み換えを避けていただければと思いますが、個人的には別にGMOでいいんじゃない?と思っている次第です。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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