決断の正確性を上げたけりゃ、あえて簡単なゲームでボーッとすべし!みたいな研究
近ごろ「良い決断をしたきゃボーっとしろ!」みたいな論文をいくつか読みましたんでメモしときます。
ひとつめはラドバウド大学の実験(1)で、「無意識思考効果(unconscious-thought effect)」のすごさについて調べたもの。これは、「知らないうちに脳がいろいろ考えてくれてるよ!」みたいな考え方でして、なんらかの問題に取り組むときは、下手にもがくより放っておいたほうがうまくいったりする現象を指しております。
ボーッとゲームをする時間が判断力をあげる
研究チームがどんな実験をしたかというと、
- 実験1:参加者に知らない人のプロフィールを見せて「どの人があなたのルームメイトにふさわしいと思いますか?」と聞く
- 実験2:架空の「バイト志望者のプロフィール」を参加者に見せて、「どの候補者を採用するのがいいと思いますか?」と聞く
みたいな感じ。この際に参加者を2つのグループに分けて、
- いろいろ考え抜いた上で決断を下してもらう
- まったく関係ないアナグラムゲームをやってもらった後で決めてもらう
のどちらかのパターンで答えを聞いたらしい。
その結果は、どちらの実験でもグループ2の勝利。あれこれ考えながら決断を下すよりも、「あえて何も考えない時間」を作ったグループの方が格段に良い選択をしたというんですな。面白いもんですねぇ。
シンプルなゲームで遊ぶほど判断力は上がる
で、もうひとつ(2)がエクス=マルセイユ大学の実験。こちらも参加者にいろんな判断をしてもらったんですが、ここで3つのグループに分けてます。
- シンプルなゲームで遊んでから判断(ソリティアとか)
- 複雑なゲームで遊んでから判断(数独とか)
- いろいろ考えてから判断
ってことで、こちらの実験では、「何も考えない時間の種類」によって結果がどう変わるかをみたわけですね。
その結果は、
- 1位 シンプルなゲームで遊んだグループ(正答率75%)
- 2位 複雑なゲームで遊んだグループ(正答率55%)
- 3位 考えてから判断したグループ(正答率40%)
みたいな感じ。下手にいろんなことを考えずに、なんか単純な作業でもした方が逆に思考が深まっていくらしい。いやー、これまた面白い結果ですな。
「無意識思考効果」が効く理由ってのはまだハッキリしてないんですけど、どちらの実験でも、
- あえて考えるのをやめる
- 頑張って考えるときには出てこないような情報が浮かぶ
- 新たな情報が判断材料に加わる
- 判断力が上がる!
みたいな流れを想定してるみたい。気を抜いたことで、見逃してた情報が頭に浮かびやすくなるわけですね。
まとめ
では、実際にどれぐらいボーッとすればいいのかというと、このへんはデータによってバラバラで統一見解はなし。いちおう、いくつかの研究だと「10分ぐらいでも十分じゃない?」って見解も出てるんですが、ここらは自分でいろいろと実験でしてみるしかないでしょうな。
ってことで、なんか難しい決断に迫られたときは、
- 片手間にできそうなゲームでボーッと10分ぐらい遊んでみる!
ってのがいいかもしれませんね。どうぞよしなに。