「運動がツラい!」をちょっとだけラクにしてくれる心理テクニックとは?
「ツライ筋トレをちょっと軽くする方法」を紹介しましたが、新しい論文(1)では「かなりキツいランニングを楽にする方法があるよ!」って結論になってて使えそうでありました。
これはタフツ大学の研究で、24人のランナーを対象にしたもの。年齢は18〜33歳で、週に最低でも15km近くは走る習慣がある人を選んだそうな。
具体的にどんなデザインだったかと言いますと、まずは参加者に以下のように指示してます。
- 全員に90分のランニングをしてもらう
- その際、最大心拍数の75〜85%を維持するように調整
ってことで、かなりハードなレベルの運動を命じたみたい。これはキツそうですなー。
でもって、この際にちょっとヒネりを加えまして、
- 1回目のランニングは普通に行う
- 2回目と3回目のランニングは、「認知リアプレイザル」か「ディストラクション」のどちらかを使う
って感じでグループを分けたんだそうな。これがどういうものかと言いますと、
- 認知リアプレイザル=「運動中の辛い体験」を客観的に見てみる。「あー、いま会話ができないとこまで息があがってきたな……」とか「胸元の苦しさが激しいな……」みたいな感じ。
- ディストラクション=運動中に他のことを考えてみる。「これが終わったらビールだ」とか「こないだのレストラン美味かったなぁ」みたいな感じ。
といったところです。要は「認知アプレイザル」ってのは、自分のツラい体験をジャーナリストとか科学者のように見てみることで、「デタッチドマインドフルネス」なんかに近い考え方だと申せましょう。
最後に、ランニング中と終了後に「心理的なツラさ」テストを行ったところ、
- 認知リアプレイザルを使うのが一番ラク!
って結果だったんですな。ツラさを客観的に見たほうが「もう嫌だ!」とか「やめたい!」とか思う確率が少なく、いっぽうで気をそらす戦略にはなんの違いも見られなかったとのこと。
研究チームいわく、
ディストラクションに効果がないことは、以前からよく知られていた。今回の結果は、従来のデータを支持するものだ。
その代わりに、「認知リアプレイザル」は、なんの心理テクニックも使わない場合よりも格段にエクササイズをラクにしてくれる。
とのこと。サンプル数が少ない段階なんで断言はできないものの、似たようなテクニックである「デタッチドマインドフルネス」の効果はそこそこ実証されてるんで、実戦でも使えそうな手法ではないか、と。
また、これはランニングの実験ですが、「自分のツラさを客観的に見てみる」ってのは筋トレでも応用が利くでしょうな。筋トレでデタッチドマインドフルネスを試したことはないんで、ちょっとやってみるかな。