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今週の小ネタ:離婚しやすい夫婦の特徴、ボーナスとモチベーション、不安傾向な人の行動

Summary

 

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

 

 別れやすい夫婦は、付き合った当初に「あれ」が多い

まずは、テキサス大学の論文(1)で、168組のカップルを13年にわたって追いかけた観察研究になっております。どういうデザインかというと、

 

  1. 結婚式をあげたばかりのカップルを探す
  2. そこから13年ほど追いかけて、関係性がどうなったかを調べる

 

って感じで、「別れやすい夫婦は何が違うのか?」ってとこをチェックしております。なかなかの労作ですな。

 

 

で、どんな結論が出たかと言いますと、

 

新婚ホヤホヤの時期にイチャイチャしているカップルは、それから7年後に離婚する確率が高かった。逆に、イチャイチャ度が3分の1のカップルは、その後も幸福に暮らす確率が高い。

 

だったそうな。ってことで、新婚の時期にハグやキスをしまくったりしてる夫婦ほど、別れやすい傾向があったんだそうな。

 

 

その理由はよくわかってないですが、おそらくは「序盤に恋愛熱が高まりすぎたせいで、その後お互いに幻滅しちゃう可能性が高いからでは?」と推測されてたりします。山高ければ谷深し、みたいな話っすね。

 

 

 ボーナスで人間のパフォーマンスは上がるか問題

次は、みんな大好きダン・アリエリー博士の論文(2)で、インド郊外の住民を対象にしております。どんな実験かと言いますと、

 

  1. インド郊外で低賃金で暮らす人に協力を頼む
  2. 全員に「認知テスト」をやってもらい、その際に「点数がいい人にはボーナスをあげます」と伝える

 

 

で、その結果がどうだったと言いますと、

 

  • 高いボーナスを提示された人ほどパフォーマンスが低下した!

 

だったそうな。また、この研究では西洋人にも似たような実験をしてまして、やはり結果は同じだったそうな。

 

 

これは、ボーナスを提示されると、金のことばかりに頭がいっちゃうせいで、目の前のタスクに割り当てる処理能力が減っちゃうのが原因だとか。

 

 

不安になりやすい人は、どんなことに時間を使っているのか?

最後はライプツィヒ大学の論文(3)で、1,300人のドイツ人が対象。平均年齢は51歳で、最低でも3年以上にわたって日記をつけている人だけを選んだそうな。

 

 

これがどんな研究だったかというと、

 

  1. みんなの性格をビッグファイブでチェックする
  2. 日記の中から「ありがちな行動」(テレビとか仕事とか)を9つ選ぶ
  3. ビッグファイブの結果と「ありがちな行動」の関係を調べる

 

って感じ。そこでどんな傾向がわかったかと言いますと、

 

  • 誠実性が高い人(マジメな人)は仕事と勉強に時間を使い、テレビをみる時間が少ない
  • 外向性が高い人(社交的な人)は、ほとんどを社交に使っている(当たり前ですな)
  • 開放性が高い人(好奇心がある人)は読書とスポーツに時間を使う
  • 神経症傾向が高い人(不安になりやすい人)は、雑事に時間を使う(皿洗いとか掃除とか)

 

だったそうな。不安になりがちな人ほど雑事が多いってのは、ちょっと新しい話っすねー。

 

 

これがどんな理由で起きてるかは不明ですが、

 

  • 不安傾向の人は、散らかった部屋が必要以上に気になっちゃうから?
  • 掃除をしている時が落ち着くから?

 

といったあたりが考えられるでしょうか。ちょっとわかりますな。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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