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「運動のやる気がない…」「ジャンクフードを食べたい…」を少し解決するイメトレの考え方

Th Sculpture

 

イメージトレーニングはあなどれない!」って話は、よく当ブログでも書いております。

 

 

たとえば、

 

 

なんてのが代表的なところ。当然ながら脳は全身の神経系とつながってるんで、頭で考えただけでも体の反応に影響を与えるんですな。

 

 

でもって、新しく出た論文(1)では、「イメトレで健康的な行動が取れるようになるぞ!」って結論になってて、さらに活用の範囲が広がってたりします。つまり、イメトレで健康的な食事の量が増えたり、よりエクササイズに取り組む確率が増える、というんですな。すばらしいですねぇ。

 

 

これはカーティン大学の研究で、過去のイメトレ研究から質が高い26件をまとめたメタ分析になってます。科学的な証拠としてはわりと質が高くてよろしいですなぁ。

 

 

研究者いわく、

 

これまでの研究では、イメージの力を使ったテクニックは、アスリートのパフォーマンス向上、パイロットのフライトトレーニング、入院患者の苦痛軽減などのために使われるケースが多かった。

 

心疾患や糖尿病のような慢性的な病気は、その人の行動と明確な関係がある。ここでイメージの力を使って介入すれば、コストがかからず、運動や健康的な食事の量を増やす効果的なテクニックになる。

 

ってことで、イメトレの力を使えば習慣病を治すモチベーションが上がるんじゃないか?と考えてるわけですね。

 

 

では、多くの研究では、「イメトレ」を以下のように定義しております。

 

  • いくつかのイベントを頭の中で模倣しながら描写すること
  • 実際に身体的な動作をともなわずにタスクの認知的なリハーサルを行うこと

 

ちょい難しめの表現ですけど、要は「自分が取りたい行動を現実的に想像すること」とお考えください。たとえば「運動をしたい!」と思っているなら、

 

  1. 自宅でジム用のシューズを用意する自分
  2. 近所のジムに向かう自分
  3. ジムに入ってベンチプレスをする自分

 

みたいに、運動のステップを可能な限りリアルに脳内で再現していけばOKであります。

 

 

ここで大事なのは、「理想的な状態」をイメージしないことです。ベンチプレス100kgをガンガンあげてる自分とか、時速10kmで1時間ランニングしまくる自分とか、この手のイメージはただの空想なんで、ポジティブ思考の罠にハマりがちなんですな。あくまで「実際にやり始めれば90%以上の確率で達成できるレベル」を目指すのがコツであります。

 

 

さて、分析の結果がどうだったかと言いますと、

 

この研究でわかったのは、シンプルに「健康的な行動」のステップをイメージするだけでもモチベーションが上がり、実際に行動に移す確率が上がりやすくなるという事実だ。

 

って感じです。まぁ効果量はd+ = 0.23 ぐらいなので、「イメトレでモチベーションが爆上がりする!」ってレベルじゃないんですけど、どうしてもやる気が起きない時の補助としては十分に使う価値がありそうっすね。

 

 

さらに、ここでは「イメトレの効果が上がるポイント」もまとめてくれていて、

 

  • 定期的に自分にリマインダーを送るとモチベーションが上がりやすくなる
  • イメトレは長くやればやるほど効果が上がる
  • イメトレは細かく想像すればするほど効果が上がる

 

って傾向も確認されてたりします。筋トレを習慣にしたいなら、「ベンチプレス用のプレートをバーに着けてる自分」ぐらい細かくイメージを再現していくといいみたい。

 

 

ってことで、個人的にはこれまでイメトレって使ってなかったんですけど、この機会に試してみようかなー、と。幅広く使えそうなテクニックですよね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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