自分の「自信」レベルを正確に判断するための10問
昨日「健康レベルを上げるためには運動に対する自己効力感テストが有効!」みたいな話を書いたところ、「運動以外の自己効力感はどう判断するの?」といったご質問をちらほらいただきましたので、軽くご紹介しておきます。
いま自己効力感を測るために使われてるのは「GSE」ってやつで、たぶん研究に使われる頻度では一番かと。もともとは1995年に開発されたスケール(1)で、「人間の自信をうまく測るにはどうすればいいの?」って問題意識から生まれたものです。
歴史が長いだけあって検証例も豊富で、信頼性はかなり上。信頼性係数(クロンバックのアルファ)は.76 〜 .90ぐらいでして、まずは精度が高いと考えてよろしいかと。
では、具体的にこのテストの点数が高いと何がいいかというと、
- 感情が安定している
- 楽観的な状態になる
- 仕事の満足度が上がる
- うつ状態になりにくい
- ストレスレベルが低い
- 不安も少ない
- 健康状態がいい
- 燃え尽き症候群にならない
といった傾向が確認されてたりします。なかなか良いことづくしですねー。
でもって、「GSE」は以下の10問で構成されていて、それぞれ1〜4点のあいだで点数をつけていきます。「まったく当てはまらない」なら1点で、「完全に当てはまる」なら4点。すべてを足して合計点を出せば終了です。
- 十分にがんばれば、いつも困難な問題を解決できる
- 誰かが反対しても、自分が欲しいものを手にするための方法や方策を見つけられる
- 目的に集中し続けなあらゴールを達成するのは簡単なことだ
- 予想もしない事態が起きても、効率的に対処する自信がある
- 私は機転がきくので、予想もしない状況になっても場面にうまく解決する方法がわかる
- 必要な努力さえ続ければ、ほとんどの問題は解決できる
- 自分の問題解決力を信頼しているので、困難が起きても冷静でいられる
- どのような問題が起きても、たいていは複数の解決策を見つけられる
- トラブルにおちいっても、たいていは複数の解決策を考えつく
- 何が起きても、いつも対処できる
当然、この数字が高いほど「自己効力感が高い!」と判断できるんですが、いちおう基準点も紹介しておきます。2002年に行われた大規模な調査(2)では、世界25カ国からおよそ20,000人に「GSE」を行って、大体の平均値を出してくれてるんですな。
その結果をざっくりまとめると、
- 世界の平均値は29.55
- 日本の平均値は20.22
- フランスの平均値は32.19
- コスタリカの平均値は33.19
ってことで、国によって自己効力感にはバラつきがありまして、日本がダントツで低いという面白い結果になってたりします。うーん、文化の差でしょうか。
なので、GSEの合計点が20点より上なら、とりあえず日本では優秀な方。しかし、できれば30点ぐらいを目標に自己効力感を積み上げていきたいもんですなぁ。