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アンチエイジング に役立ちそうなデータいろいろ:アボカド、玉ねぎ、クレアチン

 


 

人は血管とともに老いる!ということで、アンチエイジングのためには心臓や血管まわりをキレイに保つ作業が欠かせませんので、そのあたりで最近「これは実践的だなー」と思ったデータを3つほど並べときます。個人的にはクレアチンがいい感じかな、と。

 

 

 

アボカドで超悪玉コレステロールが減るかも?

アボカドの健康効果はわりといろんなとこで言われてまして、一価不飽和脂肪酸と抗酸化物質がたくさん入ってるおかげで血液中の酸化LDLコレステロール(めっちゃ悪玉)の量を減らすと考えられてるんですよ。カロリーが高いのだけが玉にキズながら、定期的に食べておきたい食材のひとつでしょうね。美味しいし。

 

 

で、新しいデータ(R)もアボカド関連で、太りすぎに悩む45人の男女を集めまして、

 

  1. 低脂肪食
  2. 中脂肪食その1(アボカドを1日1個食べる)
  3. 中脂肪食その2(アボカドと同じレベルのオレイン酸オイルを使った食事)

 

っていう3パターンの食事を5週間かけてランダムに実践してもらったらしい。その上で、血中の酸化LDLコレステロールと酸化ストレスのマーカーを食事ごとの開始時と終了時に測定したところ、

 

  • アボカドをふくむ食事は、他の2つの食事と比べて血中の酸化LDLコレステロールを減らし、ルテイン(抗酸化物質)の量を増加させた!

 

  • 酸化LDLの減少は、sd-LDLコレステロールの全体的な減少と相関していた

 

って違いが出たそうな。sd-LDLは俗に「超悪玉」と呼ばれるコレステロールで、普通のLDLよりサイズが小さいせいで血管壁に入り込んで動脈をカッチカチに変えやすいんですよ。なので、こいつの数字が下がったのは非常に喜ばしいことなんですよね。

 

 

今回の結果を見てると、アボカドのメリットってのは脂肪酸の構成だけが原因ではない感じで、おそらくは豊富なカロテノイドやフィトステロール、ビタミンが関わってるんでしょうねぇ。sd-LDLの恐ろしさは近年さらに判明してきたことなんで、コレステロールまわりが心配な方はアボカドを導入してもいいのかもですな。

 

 

 

玉ねぎのケルセチンでメタボが改善?

ケルセチンは玉ねぎやケールなどにふくまれるフラボノールで、このブログでは「運動のパフォーマンス向上に効く?」や「筋トレに役立つ?」などの話を取り上げてまいりました。抗酸化能力が高い成分として知られてまして、いろんなメリットが得られそうなんですよ。

 

 

それならば、ケルセチンが心血管系や代謝をよくしてメタボの改善にも役立ってくれるのでは?って考えが浮かぶわけで、そのあたりを調べたメタ分析(R)が出ておりました。

 

 

ケルセチンに関する質が高めな研究から16件を抜き出したもので、「ケルセチンのサプリはメタボな人に効くの?」って問題について、そこそこ精度が高い結論を出してくれておりました。中性脂肪、コレステロール、CRP、TNFαといった病気のリスク指標をケルセチンが下げてくれるかどうかって問題っすね。

 

 

分析の結果を箇条書きにすると、こんな感じです。

 

  • ケルセチンは、コレステロール、LDLコレステロール、CRPの数字を下げるっぽい
  • ただし、中性脂肪、HDLコレステロール、インターロイキン6、TNAαの数値には影響しなかった

 

ということで、それなりに良い成果が出てまして、メタボにお悩みの方なら使ってもいいかも?って気はしますね。ただ、この調査はあくまで代謝に問題がある人だけを扱ってるんで、すでに健康な人がケルセチンを飲んでメリットが得られるかどうかは謎ってところはご注意ください。

 

 

 

クレアチンが心臓や血管の健康に役立つかもよ

筋トレに役立つ成分と言えばクレアチンで、このブログでも数少ない推奨サプリのひとつに挙げております。それぐらい信頼性が高い研究が多い成分なんですよねー。

 

 

でもって、新しいデータ(R)では、「クレアチンが心臓や血管の働きを改善するかもだ!」って話まで出ておりました。クレアチンは体内のエネルギー源になるだけでなく、そもそも高い抗酸化性能と抗炎症作用を持つことで有名なんで、血管のサポートに使えるのでは?と言われてきたんですよ。

 

 

このデータは過去のクレアチン研究を調べたナラティブレビューでして、最終的に4つの研究を調べたうえで、ざっと以下のような結論を出してます。

 

  • ある研究では、クレアチンを筋トレを組み合わせると血流が改善するとの結果が出たが、運動せずに服用しても血流に影響は与えられない

 

  • 別の研究では、クレアチンが最高血圧と心拍数の急上昇を減らしたと報告されたが、作用のメカニズムはよくわからなかった

 

  • さらに2つの研究では、クレアチンのサプリによって健康な人の毛細血管の血流が増える可能性が示された(1日20グラムのクレアチンを1週間飲んだ場合)

 

といったわけで、全体的に見れば「クレアチンはおそらく心臓や血管の健康にもいいんだろうなー」って雰囲気が漂う結果ですね。ただ、個人的にはすでに筋トレ目当てで1日5〜6gを使ってるんですけど、「1日20gも飲む気にはならんかな‥…予算的にも大変だし……」って感じですが。

 

 

ちなみに、今回のレビューを見てると、クレアチンの抗炎症作用が心臓と血管の健康に効いてる可能性を重視してるっぽくて、あらためていろいろと素晴らしい成分だなーとか思いましたね。

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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