今週末の小ネタ:脳の衰えを防ぐ方法、体を動かさない子供はメンタルを病む、正直アピール
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
楽観的なパートナーを選ぶと頭がボケにくくなる説
「楽天的な人は長生き!」って話は昔からよく聞くところで、どうも人生にポジティブな態度を持ってる人の方が寿命が長い傾向があるんですよ。まぁいつも悲観的な人よりは、確かに前向きなほうが健康には良さそうなイメージですよね。
で、新しいデータ(R)も楽観的な人のメリットを支持していて、結論から言うと、
- 楽観的なパートナーと付き合うと、脳が衰えにくくなるぞ!
みたいな感じです。これは4,457組の夫婦を最長で8年ほど観察した研究で、チームはこんなふうに結論づけてます。
アルツハイマー病や認知症は、健康的なライフスタイルを送っているかどうかで予測できる。例えば、健康的な体重の維持と身体活動は大きな予測因子だ。楽観的なパートナーと結婚している人は、これらすべての指標でより良いスコアを出す傾向があった。
ってことで、楽観的な人と付き合ってる人は標準体重を維持したり、より野菜やフルーツを食べたりと、健康的な暮らしをしている傾向が大きいんだそうな。そのおかげで脳の衰えもゆっくりになるらしい。
おそらく、楽観主義者が健康なライフスタイルの模範を示し、パートナーはそれを学習するのだろう。私たちはパートナーと多くの時間を過ごし、パートナーから運動や健康的な食事の影響を受けることが多い。
パートナーが楽観的で健康的であれば、それはあなたの人生にも伝染するのだ。
ということで、長生きのコツのひとつとして「楽観的なパートナーを選ぶ」ってのも大事なポイントなのかもですな。
体を動かさない子供はメンタルを病むぞ!問題
「運動不足でメンタルが病む!」って話は何度も書いてるとこですが、「それならどれぐらい体を動かせばいいの?」ってあたりを調べてくれた研究(R)が出ておりました。
こちらは12〜16歳の男女4,257人を数日間にわたって調査したもので、
- いつもどれぐらい運動をしているか?
- 気分の落ち込み、集中力の低下などの抑うつ症状をどれぐらい経験しているか?
ってポイントをチェックして、データの相関を見ております。それでどんな傾向が浮かび上がったのかと言いますと、
青年期に運動をしていない若者は、18歳までにうつ病にかかるリスクが高くなった。この問題を解決するにあたり、負荷の高い運動だけでなく、かなり軽いレベルの身体活動でもメリットがある可能性が高い。
みたいになってます。小中学生の時点でほぼ体を動かさなかった人は、高校になって心を病む確率が激増するっぽいんですな。運動すごい。
しかし、ここには希望を持たせるデータも確認されていて、
- 歩きまわるぐらいの超軽い運動でも、うつ病のリスクは十分に減らせる
- 12歳で軽い運動をしておくと、18歳で抑うつ症状が10%減少する
だったそうです。ちょっと歩くだけでもメンタルの悪化は防げるんだから、これはやるしかないですなぁ。私も子供時代に運動をしておきたかった‥…。
人間、正直アピールのために余裕で嘘をつく生き物説
「人間って自分を正直者に見せたいために嘘をつくことがあるよねー」って事実について調べたおもしろいデータ(R)が出ておりました。
まず実験の内容を紹介すると、
- 115人の弁護士の参加者を集めて、「依頼人のために90時間または60時間を費やしたと想像してください」と指示
- 「依頼人に何時間分の請求をしますか?」と質問する
みたいに参加者を誘導したところ、
- 「90時間の労働」を想像したグループは、平均で88時間分の報酬を請求した
- 「60時間の労働」を想像したグループは、平均で62.5時間分の報酬を請求した
といった違いが出たんだそうな。要するに、みんな「90時間って数字はピッタリすぎて嘘くさいから、もうちょいリアリティのある数字にしておこう……」と考えたわけですね。この心理はわかりやすいっすな。
この結果についてチームいわく、
多くの人は、自分の評判や他人からどう評価されるかを非常に気にする。そして、「自分を正直に見せたい」という欲望の強さは、「本当に正直な行動をする」という欲望を上回る。
そのため、好ましすぎる結果を得たような場合は、たいていの人は他の人々の不審な反応を予測し、真実を述べるよりも嘘をつくことを好む。
ってことで、人間が「心から正直に生きるぞ!」と思ってるケースは少数派で、たいていは「正直アピールのためなら余裕で嘘をつくぜ!」と考えてるってことですな。