今週の小ネタ(新型コロナエディション):コロナのメンタルダメージを防ぐ運動量、症状の順番、フェイスシールド意味ある?
ファイザーのワクチンニュースが出て、ちょっと希望が出てきた昨今。とはいえまだワクチンも初期段階ということで、久々にコロナ関連の知見まとめです。
新型コロナのメンタル悪化を防ぐには普段より運動が必要?
「新型コロナのメンタル悪化を防ぐには普段より運動が必要!……かもしれん」みたいな話(R)が出ておりました。
これは中国で新型コロナが拡大した際に行われたテストで、66人の大学生に3回のアンケートを行い、
- 普段の運動量(IPAQ-S)
- 睡眠の質(PSQI)
- 鬱症状レベル(DASS-21)
などをチェックしてまして、「新型コロナのストレスに強い人はどう違うの?」ってとこを調べたんだそうな。そこでどんな結論が出たかと言いますと、
- 新型コロナの死亡者が増えるごとに、全体的に睡眠の質が下がる傾向があった
- また、新型コロナの死亡者が増えるごとに攻撃性は低下したが、ストレスやうつ症状に変化はなかった
- 新型コロナのによるメンタルへの悪影響は日常の活動量が多い人ほど少なく、週あたり2,500METsの運動で感染拡大による悪影響が最小になった
だったそうです。「週あたり2,500METsの運動」ってのは、
- ウォーキングぐらいの軽い運動を1日108分
- ジョギングぐらいの中程度運動を1日80分
- ハイペースのランニングぐらいの高負荷運動を1日45分
ぐらいに相当するそうなんで、一般的な健康ガイドラインより多めっすね。特殊なストレスを打ち破るには、いつもより多めの運動が必要ってことなんでしょうか。すごく短期の研究なんでアレですが、新型コロナの不安が大きい人はいつもより多めに運動してみるといいかもしんないっすね。
新型コロナとインフルエンザの症状が起きる順番の違いとか
もうすぐインフルエンザの季節ですけど、新型コロナの症状はよく似てるんで、「もし不調が起きたらどう見分ければいいの?」ってのは誰もが思うことでしょう。そんな折に、USCから「新型コロナにありがちな症状の順番」を調べたデータ(R)が出てて参考になりました。
こちらはWHOが中国で集めた55,000人以上の症例データを使ったもので、これに中国の衛生健康委員会が提供する約1,100例のデータセットを合わせて分析したらしい。で、新型コロナの症状はどんな順番に起きることが多いかと言いますと、
- 発熱
- 咳と筋肉痛
- 吐き気
- 下痢
だったそうです。一方で、季節性インフルエンザの患者は発熱前に咳を発症するのが一般的で、さらに背中の痛み、悪寒、空咳という 3 つの症状が同時に始まることも多いんだそうな。もちろん、これはあくまで一般論なんで、必ずしも常に同じ順番とは限らないものの、おおまかな傾向はこんな感じだよーってことで。
プラスチック製のフェイスシールド意味ある?
よく「プラスチック製のフェイスシールドは感染防止に無意味だよー」みたいな話を聞くわけですが、これが事実かどうかを調べたデータ(R)が出ておりました。
これはフロリダ・アトランティック大学の調査で、人間の咳やくしゃみをシミュレートして、プラスチック製のフェイスシールドが新型コロナをどれぐらい拡散するのかをチェックしてます。その結果については、以下の動画を見るのが早いでしょう。
face-shield-video from Newswise on Vimeo.
ご覧のとおりフェイスシールドは最初の飛沫こそブロックするんだけど、どんどんシールドの周囲を動き回って広範囲に広がってってますね。これは確かに感染予防にはならないかなーって感じですかね。
ただし、これは決して「フェイスシールドが無意味だ」って意味じゃないのでご注意ください。確かにフェイスシールドだけだと効果は低いかもですが、マスクと組み合わせた場合は、相乗効果で飛沫の拡散がさらに抑えられるって話も出てますんで。使える武器は全て使った方がいいって感じですかね。