脳のパフォーマンスを最大に上げる「休憩法」を探してみたぞ!という研究
ベストなパフォーマンスを維持するためには、「適度な休憩」が欠かせないのは間違いないところ。毎日HIITをやっていたらオーバーワークですり減っちゃいますもんね。
これは頭脳労働でも同じことで、「ヤバい集中力」にも「細かく休んだほうがパフォーマンス上がるよ!」ってポイントを強調しております。さらに、過去にこのブログで取り上げた話でも、
などがありまして、頭を使う作業にも休憩がおもしろい効果を持つのは間違いない話です。ひたすら仕事に集中し続けていたら誰でもパフォーマンスは下がりますもんね。
それでは、具体的に「高い脳のパフォーマンスを維持するための休憩法とは、どのようなものなのか?」ってことで参考になるのが、ウィーン医科大学などのチームが行ったテスト(R)であります。この研究は66人の学生を対象にしたもので、研究チームはこんなことを言っておられます。
休憩のせいでトータルの作業時間は減るにもかかわらず、最終的な成果量は5%上がり、クオリティは8%向上することがわかっている。
さらに、休憩の効果は休憩の直後だけでなく、仕事の終わりにも、主観的な疲労を軽減し、活力を高めると報告されている。
また、その他の休憩の効果としては、学習の改善、記憶の向上、問題解決の強化、身体的不快感の軽減などが挙げられる。
ってことで、休憩の効果ってのはめちゃくちゃ確立されているので、是が非でも取るべきなのだ!ということですね。
で、この実験では、まずは全員に1日4時間の講義を受けるように指示したんだそうな。具体的には、参加者が受けた講義は以下のタイムスケジュールになっております。
- 20分の講義
- 15分の休憩
- 45分の講義
- 実験用の休憩
- 20分の講義
- 45分の講義
ご覧のとおり、参加者には長時間の講義をみっちりと受けてもらいつつ、そのあいだに2回の休憩をはさんだわけです。ポイントは4番目の「実験用の休憩」で、ここで研究チームは参加者を4つのグループに分けています。
- 運動を使った休憩:ストレッチやジャンプなどの軽い運動を12.4分行う
- リラックス休憩:ガイド付きのボディスキャン瞑想を11分行う
- 座ったままで休憩:座ったまま好きなように10分休憩する
- 休憩なし:休憩しないで勉強を続ける
実験は4週間にわたって行われ、全員の疲労感を調べ続けたところ、結果は以下のようになりました。
- どのような休憩でも、全体的に元気になる効果はある
- しかし、もっとも元気レベルをアップさせたのは「運動を使った休憩」で、ついでに疲労感も減少させた
- 認知の機能を改善させたのは「運動を使った休憩」だけだった
- リラックス系の休憩は疲労を減らす効果のみ座ったままの休憩より優れていたが、他の要素は特に変わらなかった
だったそうで、この結果を見ると、やはりベストなのは「運動を使った休憩」なんだろうなーって感じですね。運動をしたグループだけが長い目で見て元気度が上がり、疲労のレベルも減ったというんだから実践するしかないでしょう。
研究チームいわく、
6〜7分という短時間のリラックス技法や身体活動を行うことで、通常の休憩よりも疲労を減らし、同時に元気のレベルが高まり、結果として仕事への参加と生産性も高めてくれるかもしれない。
とのこと。ちなみに、「運動を使った休憩」といってもHIITのような激しいエクササイズを使う必要はなく、
- ストレッチ
- 軽いなわとび
- ちょっと早めのウォーキング
ぐらいの簡単な運動を10分ほど行えば、それだけで高い回復効果を得ることができるんだそうな。座ったままの休憩が悪いとは言いませんが、せっかくの休憩効果を最大まで高めたいなら、軽い運動を導入してみるのがよさそうっすねー。