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乳製品で癌になる? ニンニクは癌に効く? ビタミンKと癌リスクは?など、癌に関する最新データ3選


  

近ごろ、癌に関するよさげなデータをいくつかまとめてチェックしましたんで、おもだったところを紹介しておきまーす。

 

 

 

乳製品で癌にかかりやすくなるのか?問題

「乳製品は体にいいけど癌になる心配があるっていうよなぁ……」みたいな意見が昔からあるんですよ。乳製品は栄養が豊富だけど、いっぽうでは癌を成長させちゃう働きもあるのでは?といった疑念っすね。

 

 

そこで新たなメタ分析(R)では「本当に乳製品が癌に悪いのかシロクロつけようじゃないか!」と調査を進めてくれまして、なかなかありがたい内容になっておりました。

 

 

これは34件の前向きコホート研究を対象にしたメタ分析で、

 

  • 88,545人の死亡者を含む3,171,186人の参加者を、およそ14年間にわたって追跡
  • みんなの乳製品の消費量と癌の死亡率などの関連を調べる
  • 研究の質は1件の研究が「良好」と評価され、それ以外のすべての研究が「高品質」と評価されている

 

みたいになります。観察研究しか入ってないので因果関係は立証できないんですけど、全体的な質は高めで良いのではないかと。

 

 

そして分析の結果を見てみると、

 

  • 乳製品全体で見ると、消費量と癌の死亡率には関係がなかった

 

  • ただし、牛乳に限った場合は、ほぼ牛乳を飲まない人と比べて、よく牛乳を飲む女性は総癌死亡リスクが10%高くなった(男性には相関なし)

  • 全脂肪乳の消費量が1日に200g増加すると総癌死亡リスクが12%上昇したが、低脂肪乳の消費量には相関がなかった

 

  • 癌の部位別に見ると、ほぼ牛乳を飲まない人と比べて、よく牛乳を飲む人は、肝臓癌、卵巣癌、前立腺癌の死亡リスクがそれぞれ13%、32%、23%高かった

 

  • ヨーグルトについては、摂取量が多い女性は、摂取量が少ない女性に比べて、総癌死亡リスクが15%低下する傾向があった(男性には相関なし)

 

  • チーズについては、ほぼチーズを食べない人と比べて、よくチーズを食べる人は、大腸癌による死亡リスクが22%高い傾向があった

 

  • バターについては、総癌死亡率との相関は認められなかった

 

だそうです。あくまで観察研究ではありますが、「んー、これは牛乳ユーザーはちょっと気をつけたほうがいいか?」という気にさせられる結果ですね。まぁここらへんは専門家でもまだ統一の見解が出てない状況でして、個人的には1日にコップ1〜2杯ぐらいなら問題なさそうに思ってはいるのですが、どうにも怖い方はヨーグルト優先で消費するほうがいいんでしょうな。

 

 

 

ニンニクサプリは癌に効くの?の系統的レビュー

ニンニクは癌に効くのか?」を調べた系統的レビュー(R)が出ておりました。というのも、いくつかの過去研究では、ニンニクがナチュラルキラー(NK)T細胞を増やして免疫機能に影響を与えるのではないかと言われてきたんですよ。

 


この系統的レビューは13の観察研究と1つのRCTをまとめたもので、ニンニクの摂取(食事またはサプリメント)と癌リスクの関係を評価しております。そのうち7つの観察研究は大腸癌のリスクを評価してて、残り6件は肺癌、胃癌、前立腺癌、乳癌、血液癌のリスクを評価してます。

 


また、残り1件のRCTでは、大腸腺腫がある51名を対象に、高用量(2.4mL/日)または低用量(0.16mL/日)の熟成ニンニクエキスを1年間飲んでもらって経過を見たんだそうな。全体的な研究の質は「まぁまぁ」ってとこですが、それなりに役立つ知見は得られるんじゃないかと。

 


で、結果まとめです。

 

  • RCTでは、ニンニクエキスをたくさん飲んだグループは、大腸腺腫の数と大きさが減少していた

 

  • 4件の研究では癌リスクが逆に高くなっており(大腸2件、結腸1件、肺1件)、6件では癌との関連性はなしとの結論(胃2件、直腸1件、乳房1件、前立腺1件)。1件では血液癌のリスクが低くなっていた

 

  • 9件の研究では、食事でニンニクを食べた場合、1件で大腸癌リスクの低下が見られた。しかし、8件の研究では特定の癌との関連性は認められなかった(大腸癌3件、直腸癌2件、胃癌2件、近位結腸癌1件)

 

ということで、こちらも「うーん、一部に良い結果はあるけどリスクも報告されてるし、毎日大量にエキスを飲むほどではないか……」というとこですね。ニンニクそのものが抗炎症作用の大きい優良食材なのは間違いないので、個人的には今後も食卓に取り入れていくつもりですけど、とりあえず癌への作用は期待しない方向で。

 

 

 

ビタミンK1で癌の死亡リスクは減るのか?

最後は「ビタミンK1と癌の死亡リスク」に関するデータ(R)です。ビタミンKってのは、血液の凝固や骨の代謝を調節してくれたり、血管の健康への影響が大きかったりと、いろんな働きをしている栄養素のひとつ。さらに最近は、ビタミンKがある種の癌を抑制するって報告も増えてまして、わりと注目が集まってるとこなんですよ。

 

 

ということで、この前向きコホート研究では、デンマークに住む56,048人(中央値56歳)を対象に、ビタミンK1と癌、その他の病気との関係を評価。ビタミンK1の摂取量は「どの食品をどれぐらい食べてますか?」ってアンケートで推定しまして、そのデータを23年にわたる心臓病などの死亡率&癌の死亡率とくらべたそうな。

 

 

でもって、最終的に年齢、喫煙、収入、運動などの要素を調整したら、こんな感じになりました。

 

  • ビタミンK1の摂取量が最も多い上位20%と最も少ない下位20%を比較したところ、全死亡リスクで23%、心疾患の死亡リスクで25%、癌の死亡リスクで19%の差が見られた

 

ということで、わりと大きな差が出てて「ビタミンKはやっぱ大事だなぁ……」と思ったことでした。まぁこの研究では、ビタミンK1の摂取量が最も少ないグループの推定摂取量は1日あたり57μgでしして、これは日本のビタミンKの適切な摂取量(150μg)から見てもかなり少なめだったりすます。そこから察するに、たぶんサプリでビタミンKを大量にとっても意味がなさそうだな―って感じですんで、個人的には普通に緑葉野菜から摂取していこうと思ってますが。


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サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。