このブログを検索

今週末の小ネタ:みんな恋愛の相手選びに厳しくない?脳の若返りに必要なものとは? 反抗的な子供ほど成功する?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

みんな意外と恋愛の相手選びに厳しくないみたいっすよ?

恋愛には失敗したくないと誰もが思うもの。そのため、みんな最高のパートナーを求めて、自然と相手選びのハードルが高くなるのが普通………だと思われがちですけど、最近のデータ(R)では、「みんな意外と恋愛の相手選びに厳しくないみたいっすよ?」って結論になってておもしろいです。

 

 

これはウエスタン大学などのレビュー論文で、チームは過去に発表された恋愛に関する文献をチェック。みんな「どんな感じで恋愛の相手を選んでるの?」って問題を調べてみたところ、以下のような傾向が見られたらしい。

 

  • 恋愛の相手を選ぶときには、みんな意外と選り好みをしない。たとえば、大規模なスピードデートの研究では、参加者はデートの選択肢のうち、平均して40%にイエスと答えていた

 

  • 多くの人は、自分に興味を示してくれた人が少しぐらい好ましくない特徴を持っていたとしても、それを積極的に見逃そうとする傾向がある

 

  • 急に恋に落ちることも珍しいことではなく、むしろ多くの人は相手への恋心を急激に募らせる傾向がある。1995年の古典的な研究では、学部生の恋愛を1学期だけ追跡したところ、参加者の33%が12週間の間に恋に落ちていた

 

  • 一方、いったん人間関係ができあがってしまうと、多くの人はそこから離れようとはしなくなる。この傾向は、たとえふたりの関係が壊滅的なものであっても難しい。また、別れを決意したときに罪悪感などのネガティブな感情を抱くケースも多い

 

  • いったん恋愛関係が解消されても、そのまま別れが定着するケースも少なく、断続的にくっついたりまた離れたりをくり返すケースが一般的だった

 

ということで、一般的に思われるよりもみんなパートナー選びには寛容だし、いったんくっついたカップルは別れ難くなる心理傾向もあるみたいっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

原則として、人は長期的な関係を築きたいと強く願っている。そして、私たちの判断や意思決定の傾向は、その目標に向けて調整されているようだ。

 

そのため、相手との関係を前進させる決断ほど「デフォルトの選択肢」のように感じやすく、一方では恋愛の機会を見送ったり、恋愛相手を拒絶したりするような決断は、より困難なものに感じられやすい。

 

とのこと。みんな基本は長期関係を重視してるってのは、確かにそのとおりなんでしょうなぁ。

 

 

 

脳が普通より20歳も若くいるために必要なものとは?

スーパーエイジャーといえば同世代の一般人より脳が20才も若い人たちのことですが、ノースウェスタン大学などから新たに「スーパーエイジャーになる方法」が出てましたんでチェックしときましょう(R)。

 

 

これは31人のスーパーエイジャーを調べた調査で、みんなに42問の質問紙をわたして幸福度をチェック。これを一般的な高齢者と比べて、答えにどんな違いが出るかを調べたんだそうな。

 

 

その結果を簡単にまとめると、

 

  • 「人生における目的があるかどうか」や「日々を自主的に暮らしているか」といった項目は、スーパーエイジャーと一般高齢者に違いはなかった

 

  • しかし、「他人との信頼関係」や「他者との交流」といった対人コミュニケーションに関する項目は、一般高齢者よりもスーパーエイジャーのほうが非常によい傾向があった

 

だったそうです。多くのスーパーエイジャーは、地域のコミュニティで活動していたり、感情をちゃんと表現することを心がけていたり、定期的に友人と身の回りのことを話し合う時間を作るようにしていたりと、とにかく意識的に社交性を維持してるケースが多かったらしい。

 

 

過去にも「人間の幸福に大事なのはIQでもお金でもなく、なんだかんだで人間関係」って話がありましたが、スーパーエイジャーになるためにも人間関係が欠かせないみたいっすね。確かに幸福だったら脳の健康も保ちやすいでしょうから、納得の結果ではありますが。

 

 

まー、この研究だけだと「スーパーエイジャーはコミュ力が高いから人間関係が良好なの?なんか別のスキルとかあるの?」みたいなことはわからんのですけど、基本ひとりで黙々と仕事をしてることが多い私としては、気をつけないとなぁ……って気分にさせられましたね。

 

 

 

反抗的な子供ほど成功する?説

子供の頃に反抗的だと言われた人ほど大人になって成功する!ってなデータ(R)が出ておりました。これは約3,000人の子供を対象にした長期研究でして、

 

  1. 子供たちの知能、社会経済的地位、家庭環境などを調べる
  2. 40年後に、そのうちの745人の子供たちを追跡調査し、教育面や職業面での成果をチェックする

 

って感じになってます。子供時代にどんな特性を持っていた人が、大人になってから成功するのかを調べたわけですね。

 

 

では、結果をまとめてみましょうー。

 

  • IQが高い子供と、裕福な家庭に生まれた子供ほど、大人になってから収入が高かった(これはいつもどおりの結果ですな)
  • 子供の頃に反抗的だった人は、大人になってから収入が多い傾向があった

 

ってなことで、上の人間に反抗できる子供は、成長してからお金を稼ぐ確率が高いんじゃないか、と。

 

 

こういうことが起きる理由については、研究者いわく、

 

反抗心が高い者は、給料や昇給の交渉などの重要な局面で、より厳しい態度をとることをいとわない。そのせいで、高収入を得られるのではないか。

 

また、ルール違反や親の権威への反抗心が強い人は、自分の利益や目的のために立ち上がろうとする意欲も高く、この特性が個人の成果をより好ましいものにしているかもしれない。

 

さらに、このタイプの人は規則を破る可能性が高いため、非倫理的な理由で高給を得ている可能性も否定できない。たとえば、組織心理学の分野の研究では、従業員が自分の収入に満足していないときや、お金に対する愛情が強いときに、非倫理的または逸脱的な職場行動に投資することが示されている。

 

とのこと。良かれ悪しかれ、他人に対する協調性のなさが高収入に結びついてるかもしれないわけっすね。確かに過去の調査でも、「協調性が高い人(=他人とうまくやるのが好きな人)ほど破産する確率が高い」と報告されてますし、他人に意見をはっきり言える人ほど収入が増えるのはわかる気がしますな。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM