美肌に役立つ最新データ4選:フィッシュコラーゲン、アボカド、ヒアルロン酸、緑茶エキスの美肌効果とか
美容に関する細かいデータがたまってきたんで、役立ちそうなものをまとめときます。
フィッシュコラーゲンの肌の保湿と肌荒れへの効果について
コラーゲンを飲んでも意味がないと言われたのは昔の話。近年は「やっぱりコラーゲンのサプリにも意味があるのでは?」って報告が増えてきまして、はっきりとしたことが言えない状態になっております。
でもって、そんな状況下、「フィッシュコラーゲンのサプリメントが美肌に効くのでは?」ってデータ(R)が出てておもしろかったです。フィッシュコラーゲンは名前のとおり魚皮由来のコラーゲンで、動物性のコラーゲンよりも分解しやすいおかげで、より機能性が高いと考えられてたりします。
事実、魚由来のコラーゲンペプチドによって肌の見た目や質が改善されったて報告もいくつかありまして、一説には、フィッシュコラーゲンの補給によってセラミドや天然保湿因子(NMF)、ペプチド、アミノ酸およびアミノ酸誘導体などが増えるからでは?などと言われております。ただし、フィッシュコラーゲンで本当にこれらの要素が増加えるかどうかはまだヒトで検証されていなかったんで、今回の調査はありがたいんですよね。
これは12週間の無作為化比較試験で、フィッシュコラーゲンペプチドが肌に良い影響があるのかを調べたもので、
- 乾燥肌またはカラスの足跡(グレード3)のある参加者50人(35歳から60歳)の協力を得る
- 全体を2つのグループに分けて、1日1,000ミリグラムのフィッシュコラーゲンを飲むか、またはプラセボサプリのいずれかを摂取するよう割り当てる
- 肌の水分量、経表皮水分損失、肌のきめ(ざらつき、つや)、角質層の柔軟性、角質層のアミノ酸量、アミノ酸誘導体(AAD)量、角質層のセラミド量に変化が出るかを調べる
って内容になってます。ちなみに、ここで使われたコラーゲンは魚の鱗から酵素を使って抽出され、15%以上のトリペプチドを含んでいたそうな。
それでどんな結果が出たかと言いますと、
- プラセボと比較して、コラーゲンサプリメントは、肌の水分を増加させ、肌荒れを減少させた。
だったそうです。1日1,000ミリグラムって結構少なめな気がしますが、それでも良い結果が出てるのがおもしろいすね。フィッシュコラーゲンと言えば、Sports Researchの「コラーゲンペプチド」とかカリフォルニア ゴールド ニュートリションの「コラーゲンアップ」あたりが有名ですけど、どれも生臭くて個人的に苦手なんだよなぁ……(というかプロテインをちゃんと飲んでれば十分な気もするし)。
アボカドで肌の老化が抑えられるかもよー
「1日1個のアボカドで美肌になるかも!」というデータ(R)が出ておりました。アボカドが肌に良いって話はわりと昔から言われてまして、なぜならば、
- アボカドにはカロテノイドが豊富にふくまれている(カロテノイドの摂取は肌の老化を食い止める働きがある)
- さらに、一価不飽和脂肪酸やポリフェノールなどの有益な化合物も豊富に含まれている
ってのがありまして、肌のみならずアンチエイジングに役立つ要素が盛りだくさんなんですよ。
というわけで、新しい試験は8週間のRCTになってまして、
- フィッツパトリック皮膚II-IV型(色白から薄茶色の肌)の女性41名(平均年齢45.5歳)に協力を頼む
- 参加者の半分には、いつもの食事に1日1個のアボカドを加えた食事をとってもらう
- 8週間で皮膚の弾力性と、腕の内側の紅斑指数(皮膚の赤みと炎症)の変化がどうなったかを調べる
といった感じになってます。全体的にベーシックな実験内容になっててよろしいのではないでしょうか。
で、結果です。
- アボカドを毎日食べたグループは、そうでないグループよりも8週間後に顔の肌の弾力とハリが増加した
ということで、予想どおりアボカドグループに変化が見られてますねー。まぁこの試験にはちょっとした問題もありまして、肌の変化を参加者の額の皮膚で測定してるんですよね。額の皮膚っての他の部位とはちょっと違うところもありますんで、果たしてその他のエリアにも良い影響が出たのかは謎だったりします。アボカドが体に良いのは間違いないので、私としては今後も積極的に食べていくつもりですが。
ヒアルロン酸を口から飲んで美肌になるの?
ヒアルロン酸も有名な美容アイテムですね。一般に、ヒアルロン酸というと美容クリームに使われるイメージがありますが、新しいデータ(R)は「ヒアルロン酸の経口サプリに美肌効果がある!」と報告しておられました。例えば、「NOW Foods, ヒアルロン酸」とか「California Gold Nutrition, ヒアルロン酸コンプレックス」みたいに、口から飲むタイプのヒアルロン酸でお肌が改善するかもしれないって話であります。
念のためおさらいしておくと、ヒアルロン酸は皮膚に多く存在する多糖類の一種で、水分をキープして組織の修復を促進する働きを持ってたりします。そのため、ヒアルロン酸は肌の質を決定する重要な要素だと言えまして、老化によってヒアルロン酸が減ってしまうと、肌のしわや乾燥の原因になりやすいんですよ。
ということで、この試験は28日間のRCTになってまして、
- 軽度から中等度で皮膚が老化している60人の女性(35歳から70歳)が対象
- 参加者を半分に分けて、一方には1日200ミリグラムのヒアルロン酸を飲んでもらい、もう半分にはプラセボを飲むように無作為に割り当てる
- 調査した結果は、しわの深さ、しわの量、肌の潤い、経表皮水分損失(TEWL)、肌の弾力性、肌のハリ、ヒアルロン酸の血中濃度など
というデザインで調べた結果、プラセボグループと比較して、ヒアルロン酸を摂取した参加者は、しわの深さ、しわの量、TEWLが減少し、肌の潤いと弾力が増加していたんだそうな。この研究だと、具体的にどのヒアルロン酸を試したかがよくわからんで、このデータだけですぐにサプリを買おうとは思わんのですが、追試に期待したいっすねー。
緑茶エキス配合のクリームって意味ある?
世の中には緑茶エキスを配合した美容クリームってのがありまして、韓国のイニスフリーが出してる「Green Tea Balancing Cream EX」やマイルドバイネイチャーの「カメリアケア」などが有名っすね。
緑茶エキスには美肌を促進する可能性がある化合物がふくまれていて、中でも健康成分として有名なカテキンが有望視されております。ただし、いまんとこヒトを対象にした試験は少ないし、実験しても結果がまちまちだったりして、いまいち効果がわかんなかったんですよ。
で、なんで結果がバラバラなのかというと、
- カテキンは水に溶けやすいから、そのせいで皮膚への浸透が妨げられている
- カテキンは特定の条件で簡単に分解されちゃうから無意味にになるかもしれない
といったあたりがよく言われてたりします。カテキンが有効な可能性は高いんだけど、ちゃんと肌に効く形で使わないと意味がないかもしれないわけです。
ってことで、新しいデータ(R)は、「キトサン微粒子を使えば緑茶クリームが効くようになるのでは?」って話になっておりました。キトサン微粒子内に緑茶エキスを閉じ込めて使えば、大事なカテキンがちゃんと肌で上手く使われるのではないか?という考え方ですね。
そこで実験では、目尻のシワが目立つ女性29名(30~60歳)を対象に、8週間の準クロスオーバー試験を実施。顔の半分に緑茶エキスを配合したキトサン微粒子1%ベースのクリームを塗り(カテキン合計0.018%)、もう半分に同じ成分で緑茶エキスだけを配合したプラセボクリームを使うように指示。その上で、2週間ごとに参加者の顔を撮影したところ、
- キトサン+緑茶のクリームを使った側の肌は、4週目の時点で実験のスタート前よりもハリが出た。
- 6週目、8週目のチェックでも、キトサン+緑茶のクリームを使った側の肌のほうがハリが強くなった
- 肌のくすみとシワの量についても、キトサン+緑茶のクリームを使った側の肌のほうが減少した
だったそうです。もちろん、この実験は小規模だし、多数の結果をチェックしているのに多重比較の調整を行ってないんで、偽陽性の結果が出る危険性はかなり高くなっております。そのあたりはご注意いただきたいところですが、カテキン系美容クリームのポテンシャルを知るにはよろしい調査ではないでしょうか。
ちなみに、現時点でキトサン微粒子を使った緑茶クリームはおそらく売られてないので、それまでは一般の緑茶系美容アイテムは買わない方がいいかもしれないっすねー。