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4ステップでイライラを激減させる「管理領域トレーニング」のご紹介です

 


 

定期的にメンタル改善の技法を紹介しております当ブログ。今回は「管理領域トレーニング」って手法を取り上げてみたいと思います。

 

 

「管理領域トレーニング」は、古代ギリシャで生まれた「ストア派哲学」の考え方をベースにした訓練です。エピクテトスとかセネカとかそのへんの人たちが提唱した哲学の一派ですな。

 

 

で、ストア派のアドバイスはいろいろあるんですけども、代表的なものと言えば、

 

  • 自分でコントロールできる要因とできない要因を切り分けよう!

 

って考え方でしょう。

 

 

たとえば、「他人の行動」や「上が決めた会議」などは自分の意思ではどうにもならないので「コントロールできない要因」ですし、「作業の予定を決める」や「SNSのブロック」などは自分の意思で対応できるので「コントロールできる要因」です。

 

 

この区別がなぜ重要かと言いますと、わりと多くの人が、コントロールできる要因とできない要因を見極めないせいで、無駄に思い悩んでしまう傾向があるからです。自分でどうにか対策を打てることには意識を向けないで、どうにもできないことに時間とエネルギーを注いでしまうからこそ、悩みは募るばかりなんだって話です。

 

 

たとえば、「旅行に出たら雨が降っててビーチに行けない!」って状況があったら、

 

  • コントロールできない要因にこだわる:「雨がどうにか止んでくれないものか!あー、イライラする!」と考えて不幸になる。

 

  • コントロールできる要因にこだわる:「屋内で楽しめるとこないかなぁ。水族館とか近くにありそうだ」と考えてポジティブになる。

 

みたいな違いですね。天気のようにコントロールできないことにイラついてもしょうがないですからねぇ。

 

 

 ここらへんの話は、「無(最高の状態)」で書いた「権内と権外の区別をつけようじゃないか!」って発想と同じでして、このポイントをさらに深めたい方は「奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業 」などをお読みください。イラストが豊富で楽しく読めますんで。

 

 

で、このような問題を防ぐには、自分がコントロールできる領域をあらかじめチェックしておくのがベストであります。具体的には、以下のステップでトレーニングを行ってください。

 

 

 

ステップ1 目標の確認

あなたが達成したい「重要な目標」をリストアップしましょう。どのようなゴールでもいいので、自分で大事だと思うものを3~5つの範囲で書き出してください。

 

:仕事とプライベートのバランスをとる/SNSのせいで作業から気が逸れないようにする/もっと十分に休息する

 

 

 

ステップ2 行動の特定

ステップ1で挙げた目標を達成するためにできる具体的なアクションを考えて書き出します。

 

:仕事量を減らす/午後6時以降の仕事をやめる/SNSをブロックするアプリを導入する/睡眠時間を確保する

 

 

 

ステップ3 コントロール要因の特定

ステップ2で書き出した具体的なアクションを見つつ、「これらの行動のなかで、完全にコントロールできる要素はどこか?」と考えてみましょう。

 

:どの仕事を減らすかを考える/もっと仕事を早く始める/午後6時以降、スマホで仕事用のメールを使えないようにする/一人で過ごす時間を増やす/睡眠時間を増やす

 

 

ステップ4 コントロールできない要因の特定

ステップ2で書き出した具体的なアクションを見つつ、「これらの行動のなかで、自分では完全にコントロールできないことは何か?」と考えて、思いついた答えをリストアップしましょう。


:仕事相手の反応や思考/上司や同僚の意見や反応/午後6時以降にスマホをチェックできないことに対して発生する自分の思考と感情/ひとりでいる時間に浮かんでくる感情と思考の内容

 

 

以上のように自分の目標を掘り下げて、「コントロールできること」と「コントロールできないこと」に切り分けていくのが大きなポイント。この切り分けを日常的に行っておくと、いざ嫌なことがあってもメンタルの切り替えがうまくなるはずであります。

 

 

日常でイライラすることが多い人ほど効きやすいので、お試しをー、。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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