低用量のレスベラトロールでコレステロール改善だ！みたいなメタ分析の話
「レスベラトロールが心臓と血管の若返りに効く！」みたいなメタ分析(R)が出ておりました。
簡単におさらいしておくと、レスベラトロールってのはブドウなどにふくまれるポリフェノールで、「LIFESPAN(ライフスパン): 老いなき世界」で有名なデビッド・シンクレア先生が、「レスベラトロールが酵母細胞の寿命が延びた！」と報告したことで大ブレイクしたんですよ。その後も似たような発見は続きまして、いろいろと紆余曲折を経ながらも、いまの時点ではヒトでもそれなりの働きが認められつつある感じです。
でもって、この新しいメタ分析がどんな結論を出しているかと言いますと、
- レスベラトロールを低用量で摂取すると、コレステロールや中性脂肪が減り、心臓や血管の病気のリスクが減る
- 具体的には、レスベラトロールの摂取は、コレステロールの蓄積を防ぎ、有益なアポリポタンパク質の状態を高め、肝臓での脂質代謝を調節して、総コレステロール、中性脂肪、LDLコレステロールをまとめて低下させる
みたいになります。とにかく、レスベラトロールってのは、コレステロールに問題がある人には良いのではないか？って結論ですね。
これは中国東南大学の研究で、レスベラトロールにまつわる過去の研究を17件ほどピックアップしてまとめてくれてます。全体的なデータの質はまぁまぁってところで、それなりに良い結論が出てるんじゃないでしょうか。
では、さらに細かい結論を見てみましょうー。
- レスベラトロールを飲むと、中性脂肪、LDLコレステロール、中性脂肪が有意に減少する。HDLコレステロールは変化しない。
- レスベラトロールを飲む期間が長くなるほど中性脂肪が減り、摂取量が増えるほどLDLコレステロールが減少したが、中性脂肪についてはどちらのパラメータとも関連していなかった。
- 以上の効果は、レスベラトロールを少なめに摂取した場合に限り、大量のレスベラトロールを飲み続けると逆にLDLコレステロール、体重、BMIが増えちゃう可能性もある。
- レスベラトロールの高用量ってのは「1日500mg以上」で、低用量ってのは「1日500mgより下」ぐらいを意味する。
ということで、低用量のレスベラトロールには大きなメリットがあるのではないか、と。市場のレスベラトロールサプリは、だいたい1日の使用量が100〜500mgぐらいに設定されてるので、無駄に大量に飲まなければ問題はなさそうっすね。
ちなみに、2016年のメタ分析でも「レスベラトロールの用量によって効果が違うよ−」って話になってまして、ここでは1日300mg以上と以下のレスベラトロールで区別してましたな。
まぁ、レスベラトロールの研究を見てると、実験の参加者が糖尿だったり、肥満だったり、脳卒中を有していたりと、体調を崩されている方が多いようなので、健康体の人でも同じような脂質の改善メリットを得られるかどうかってのは、もうちょい様子を見たいとこではありますね（処方された薬がレスベラトロールの効果と干渉してるかもだし）。
というわけで、今回の結果を見る限り、コレステロールや中性脂肪が高い人であれば、レスベラトロールのサプリを使ってみるのも一興ではないかと思いました。私はここ数年はレスベラトロールを使ってなかったんですけど、脂質に変化が起きたら使ってみる……かも？ぐらいの感じですね。
