「レスベラトロールに健康効果はない!」は本当か?
赤ワインにふくまれるレスベラトロールに健康効果がない!ってニュースが出て、ここ数日、サプリファンの間で騒がれまくっております。
レスベラトロールと死亡率の関連性はない?
レスベラトロールといえば、若返りに効果が絶大として評価されてきたサプリメントです。しかし、イロリオさんの記事によりますと、
調査はイタリアに住む783人の高齢者を対象に行われ、被験者には日々の食生活と、レスベラトロルの値を測るため尿検査を実施した。9年に及ぶ調査期間中、268人の男女が死亡、174人が心臓病、34人が進行がんと診断された。
教授らはレスベラトロルの値と死亡率、また心臓病やがんの発症率との関係を探ったが、いずれも関連性は確認できなかった。
とのことで、これまでのレスベラトロールの臨床実験とは真逆を行く結果が出ちゃったんですな。これが事実なら、こないだレスベラトロールを買ったばかりのわたしとしては涙目です。
問題点1・レスベラトロールの摂取量が少なすぎる
そんなわけで、元になった論文をざっと見てみてみたんですが、結論から言いますと、これだけじゃレスベラトロールサプリの有効性は判断できないですね。
というのも、この研究で、被験者のご老人がたが摂取していたレスベラトロールの量は1日3mgぐらいなんですよ。2011年の論文なんかもそうですけど、たいていの臨床実験では1日25〜500mgの量で効果が出てまして、どうにも比較にならないんですね。わたしが買ったのも1カプセル100mgでしたし。
問題点2・喫煙者のデータを調整していない
あと、死亡率のデータのあつかいも謎。この論文では、ご老人たちを、赤ワインの飲酒量が多いグループと少ないグループにわけているんですけど、普段の酒量が多い人ほどタバコを吸ってる傾向があるんですね(だいたい25%ぐらい)。
当然、いくらレスベラトロールを摂ってても、タバコを吸ってたら死亡率も上がっちゃう可能性は高いわけで、やはり「レスベラトロールと死亡率は関係なし!」と言い切るのはムリがあるような…。
問題点3・実はハッキリと効果が得られたデータも出ている
また、ニュースではまったく触れられていませんが、論文をよく読むと、
- レスベラトロールを摂っていない老人の認知症の発症率は32.8%
- レスベラトロールを摂っている老人の認知症の発症率は16.4%
ってデータが出てるんですよね。この差って結構すごいと思うんですが、なぜか論文では1行でサラッとしか書いてないのが不思議。なんか意図があるのかなぁ。
まとめ
ということで、この論文でレスベラトロールの健康効果が否定されたとは判断できませんでした。この内容なら、「適度な赤ワインは老人の認知症を倍に下げる!」って見出しでもいいような気がしますし(笑)。わたしは過去の臨床データのほうを信じて、今後も1日に100〜200mgずつ飲んでいくつもりです。