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今週半ばの小ネタ:ブロッコリーがスーパーフードすぎる、子供が落ち着くサプリ、魅力的な声で信頼度アップ


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

なぜブロッコリーはスーパーフードなのか?

このブログでは「ブロッコリーってすごいよなー」って話を何度も書いているわけですが、新しいデータ(R)は、

 

  • なぜブロッコリーはスーパーフードと言えるの?

 

って疑問を深堀りしててておもしろかったです。まだマウス実験の段階なので注意していただきたいんですが、なんでもブロッコリーにふくまれる分子が小腸の内壁を保護して、これが病気の発生を抑制するかもしれないというんですな。

 

研究チームいわく、

 

ブロッコリーが体に良いことは周知の事実だが、それはなぜなのだろうか? 

 

とのこと。ブロッコリーは栄養が豊富だから、体にいいのは当たり前のように見えるけど、「それだけじゃブロッコリーのすごさって説明がつかなくないか?」ってのが、研究チームの問題意識なわけです。それぐらいブロッコリーの健康メリットはすさまじいんだ、と。

 

ってことで、チームは、人間でいうと1日500gぐらいに相当するブロッコリーをマウスに与え、普通の食事をしているマウスと比較したんだそうな。その結果、どんな違いが見られたかと言いますと、

 

  • ブロッコリーを食べたマウスは腸のバリア機能が改善!
  • 便通も改善!
  • 腸を守る粘液が激増!

  

みたいな違いが見られたらしい。なんでも、ブロッコリーってのは、たんに栄養が豊富なだけではなく、腸の受容体へ直に働きかけて、そのバリア機能をアップさせる働きがあるっぽいんですよ。これはすばらしいですねー。

 

 

あくまでマウス実験の段階ではありますが、こうして見ると、やっぱブロッコリーってスーパーフードだよなぁ……と思った次第です。

 

 

 

サプリで子供に落ち着きが出るか?のメタ分析

サプリで子供が落ち着くかも!みたいなメタ分析(R)が出ておりました。

 

 

これはウェイポイント センターなどの研究で、「子供や若者の過剰な攻撃性を抑えるのに役立つ栄養素ってないの?」って問題について調べた先行研究から、22の研究(うち16はランダム化比較試験)をチェックしたもの。

 

 

特定のサプリメントを使うことで、子供や若者の破壊衝動、衝動のコントロール、行動障害、神経発達障害(ADHDや自閉症を含む)の子供や若者に、なんらかのメリットが見られるのかどうかをチェックしたんだそうな。ちなみに、サプリの摂取期間は平均で14.8週間だったとのこと。

 

 

では、以下に結果でーす。

 

  • ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸などのサプリメントは、全体的にわりと有効かもしれない。ビタミンとミネラルを検証した研究はそこそこ有望で、必須脂肪酸を用いたデータは精度がまちまちだった。

 

 

  • マルチビタミンとミネラルを調べた4つの研究では、すべてで有益性が示された。なかでもマグネシウムとビタミンB6を併用した研究で効果が認められた。

 

  • 必須脂肪酸のサプリについては、1つの研究で効果が認められ、4つの研究では結果がまちまちで、さらに6つの研究では効果が認められなかった。

 

  • カルニチンのサプリを使った研究でも、結果はまちまちだった。

 

ということで、いろいろなビタミンとミネラルのサプリメントについては、子供の攻撃性をやわらげる可能性があるみたいっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

ビタミンやミネラルが子供や若者の攻撃性を抑える効果を持つという結果は、栄養精神医学における過去の研究データと一致する。ビタミンとミネラルが、気分、外傷後ストレス、非攻撃性のADHD症状といった異なる分野をサポートするのに効果的であることが、これまでも証明されている。

 

栄養補助食品は、従来のメンタルヘルス治療よりも安く、ほとんどの心理的介入よりも手頃だ。さらに、ほとんどの向精神薬よりも副作用が小さい。

 

とのこと。個人的には、もうちょい適切な検出力を持つ試験が欲しいなーって感じだし、無闇にサプリを使うよりはまず野菜を重視でしょ!とも思いますが、大人のメンタルヘルスを考えるうえでも参考になるんじゃないでしょうか。

 

 

 

魅力的な声の人ほど信頼されやすいぞ!

声は大事なモテ要素だ!」みたいな話はよく聞くところ。見た目の良し悪しがモテを左右するように、声も重要なファクターなわけです。

 

 

でもって、新しい研究(R)では、「声の魅力は他人にどんな影響を与えるのか?」ってのを調べてくれてておもしろかったです。これは中国の大学から64名の参加者を集めた研究で、

 

  1. 20個ずつの「魅力的じゃない声」と「魅力的な声」で構成された、男女の音声サンプルを用意する。

  2. すべての声を聞いてもらったうえで、どの人が最も信頼できそうかを判断してもらう。

 

みたいになってます。また、その際にみんなの脳波もチェックして、他人の声に脳がどう反応するかも調べてたりします。

 

 

で、結論は以下のようになりました。

 

  • 参加者は魅力的な声の相手と協力し、投資したいと思う傾向があった。

 

  • この傾向は男性のほうが顕著で、声が魅力的でない男性は、声が魅力的でない女性よりも信頼されにくい傾向があった。

 

  • 脳波チェックでは、男女ともに声の魅力はP3段階で処理されており、魅力的な声の処理には注意が必要であることが示された。

 

ってことでして、やはり良い声の人は信頼されやすいし、それによってお金を投資したい気分にもさせるのではないか?って結論であります。そう考えると、美声ってのはビジネスの世界で有利な特性なんでしょうなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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