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人間関係に燃え尽きて全てが嫌になりやすい人ってどんな人なの?の科学

 


人間関係の燃え尽き症候群にハマりやすい人の特徴はこれだ!」というデータ(R)が出てたので、内容をチェックしておきましょう。

 

 

これはカラズミー大学などの研究で、仕事でのバーンアウト(燃え尽き症候群)はよく聞くけど、それって人間関係にも起こり得るのでは?ってのが、チームの提唱するポイントです。

 

 

仕事でバーンアウトした人は、日々の仕事のルーチンに疲れ果てたり、やる気がなくなったり、いまの会社に入った理由がわからなくなったりしますが、同じ心理は対人関係にも当てはまるのではないか、と。確かに、「期待した友人関係じゃない!」とか「なんでこんな相手と結婚したんだ!」みたいな現象はよく起きることなんで、そこから燃え尽きにいたるケースはありそうですよね。

 

 

ってことで、チームは、夫婦間のトラブルに悩む216名の男女を集め、まずは以下のようなテストで、パートナーとの関係性をチェックしたんだそうな。

 

 

自分でもチェックしてみたいという方は、自分の結婚・恋愛・友人との関係について考えつつ、以下の感覚をどれぐらいの頻度で感じたことがあるかを採点してください。「全くない」なら0点で、「常にある」なら7点です(自分自身ではなく、パートナーのことを採点してもOK)。

 

  1. 疲労感
  2. 相手への失望感
  3. 絶望感
  4. 囚われた感覚
  5. 無力感
  6. 抑うつ感
  7. 弱いさ/気分の悪さ
  8. 不安/自分がダメな人間になったような感覚
  9. 睡眠障害
  10. もううんざりだ

 

ここで、もし自分自身やパートナーの各項目のスコアが5以上であれば、人間関係の燃え尽き症候群にハマっている可能性が大。なんらかの対策をしたほうがいいでしょう。ちなもに、この心理状態にハマった人は、腰痛や頭痛などの身体的反応、無気力や絶望感などの感情的反応など、さまざまな症状を経験するそうな。恐ろしいですねぇ。

 

 

では、このような人間関係の燃え尽きにハマりやすい人は、どんな人だったのかと言いますと、

 

  • アレキシサイミアのレベルが高い人は人間関係で燃え尽きがち!

 

だそうです。アレキシサイミアってのは、以前に「感情を言葉にできる人は健康でメンタルが強い!を自己診断する20問」でも取り上げた特性で、簡単に言えば「自分の感情を言葉にするのが苦手な人」のことです。

 

 

この特質を持つ人は、当然ながら、日々の体験で味わう感情が空虚になるため、パートナーや友人とのコミュニケーションにもうまく反応できず、その結果、他人との関係がうまくいかなくなりがちなんですよ。心当たりがある方は、ぜひアレキシサイミアのテストをどうぞ。

 

 

ちなみに、この研究によると、アレキシサイミアのレベルが高い人は、コミュニケーション能力が低いだけでなく、不安定な愛着スタイルを持っているのも特徴だそうな。感情をうまく言葉にできない人は、親密な人間関係を恐れたり(回避型)、見捨てられることを異常に恐れたり(不安型)と、ただでさえ良くないコミュニケーションが、さらに悪化していく可能性が高いらしい。それぐらい、感情を言語化する能力は大事ってことですね。

 

 

それでは、もし自分がアレキシサイミアだったらどうするか?ってとこが気になりますけど、ここでチームは「感情焦点化療法」を推奨しておられます。まだ日本ではマイナーな心理療法な気もしますが、自分の経験した感情をよりよく理解することを学ぶために開発された手法なんで、不安定な愛着スタイルを安定させられる可能性が高いんだそうな。

 

感情焦点化療法については、くわしいことを書くと大変なので、「カップルのための感情焦点化療法」「エモーション・フォーカスト・セラピー入門」などをご覧ください。

 

 

また、感情の言語化ってことで言えば、以下のエントリも参考になるでしょう。どうぞよしなにー。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。