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経営の専門家「議論で使うとトラブルを起こしやすい駄目フレーズ6選」

 


勇気を選ぶ(Choosing Courage)」って本をチビチビ読んでおります。著者のジェームズ・デタート先生はバージニア大学の経営学教授で、リーダーシップや職場のパワーバランスなどについて研究している才人だそうな。

 

 

で、本書は「人間はどんな場面で勇気を発揮するのか?」について書かれてるんですが、個人的には、途中で出てくる「誰もがついやってしまう会話の間違い集」みたいなのがおもしろかったんでメモっておきます。

 

 

ここでデタート先生が言ってるのは、「他人との議論とかになると、ついみんなヤバいワードを使いがちで、そのせいでトラブルが激しくなりがちだよねー」みたいな話です。議論のときほど冷静な言葉を使うべきだけど、小さなワードチョイスの間違いで、やたらとバトルが過激化しちゃうケースってのは、確かによくありますよね。

 

 

ってことで、先生は、以下のようなNGワードをチョイスしておられました。いずれも当たり前といえば当たり前なんですけど、議論が感情的になると、つい使ってしまいがちなんで、気をつけたいところですねー。

 

 

  • 自分が100%正しいと思ってる系のワード

    「明白に」「明らかに」「疑いようがなく」「完全に」みたいに、自分こそが客観的に正しいことを言っており、他の人も絶対に同意してくれるはずだと信じているときに使いがちなワード。

    しかし、実際は、たいていの議論がハッキリと白か黒に分かれることはめったにないし、合理的な人ほど、「疑いようがなく」や「完全に」のような単語を使う人の言葉に警戒する傾向がある。なので、周囲の人を味方につけたいときほど、この言葉は使わないほうがよい。

    また、このタイプのワードは、自分とは異なる意見を馬鹿にしている印象を生むため、相手も侮辱されたかのような気分になりがち。もし本当に説得力のある主張をしたいのであれば、自分が100%正しいと思ってる系のワードは逆に使わないほうが吉。

 

 

  • 相手の行動を誇張する系のワード

    「君はいつも◯◯だ」「君は1度も◯◯したことがない」みたいに、相手の行動や思考を極端に誇張するタイプのワード。当たり前ながら、100%いつも同じことをする人や、100%絶対にやらない人はかなり少ないので、相手を「そんなことないだろ!」という気持ちにさせがちだし、「1週間前の夕方に◯◯をした!」とか「昨年は◯◯をしなかった!」みたいな反論を引き起こし、議論の内容がズレまくってしまうケースが多め。

    また、このタイプのワードは、周囲からの信頼性も損なうので、可能な限り使わないのが吉。もし、相手に何かをやらせたり、やめさせたりしたいときは、その行動の内容を議論し続けるほうがよい。

 

 

  • 他人の行動を指示する系のワード

    「君は◯◯をすべきだ」のように、「べき論」で相手を丸め込もうとするタイプのワード。たいていの人は、自分の行動は自分で決めたがる欲求を持つので、「べき」を使われると、尊厳を侵されたような気分になる。

    その代わりに、「◯◯を考えてもいいかも」「ひとつの可能性としては……」「こういう考え方もあるよね」などのフレーズで、相手の自律性を尊重してあげるのがよい。

     

 

 

  • 感情丸出し系のワード

    「話に割り込まれてムカつく!」「そんなことを言われてムカつく!」みたいに、ネガティブな感情を全面に押し出すタイプのワード。たいていの人は、「他人を傷つけた言葉や行動を非難されること」を特に嫌う傾向があり、感情的な言葉を投げられるほど守りの姿勢に入りやすい。

    そのため、感情をぶつけたくなったら、「話に割り込まれると、なんだか見下された気になるんですが」と、自分の感情の動きを丁寧に説明するか、シンプルに「話し終えるまで邪魔しないでもらえますか?」と言うほうがよい。

 

 

  • 人格ディス系のワード

    「そんな行動はプロらしくない」「君の考えは倫理に反する」のように、相手の人格を批判するタイプのワード。たいていの人は、「私は道徳的な人間だ!」と思いたい欲求が強いので、ここを否定されると、どんどん防衛的になってしまう。

    その代わりに、「約束を破るのは人としてヤバい」ではなく、「それだと目標を達成できない」「コアバリューと矛盾する」「クライアントの信頼を損なう恐れがある」のように、行動の結果にフォーカスした言葉づかいをしたほうがよい。

     

 

 

  • 「悪く思わないでください」系のワード

    「君に恨みがあるわけじゃないが」「怒ってるわけじゃないが」「悪い意味で受け取らないで欲しいんだが」のように、予防線をはるタイプのワード。もし、こちらが相手にとって嫌なことを言うときに、この種類のセリフを使うと、たいていは傷口を広げるだけで終わる。

    これについては、たんに使わないほうが無難。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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