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一人時間の可能性:「ひとりぼっち」の22のメリットと性格別活用法


  

「孤独」が体に良くないのは間違いないんですが、一方では“一人の時間”を取ることは決して悪いことではなかったりします。“ぼっち”には悪いイメージがつきがちながら、必ずしも孤独や社会的孤立を意味するわけではないし、適切に使えば心と体へのメリットは少なくないんですよ。

 

ってことで、新しい研究(R)では、「一人時間の正しい使い方」と「一人時間がもたらすメリット」を深掘りしていて、私のような「ぼっち好き太郎」には非常にためになりました。

 

この研究は、1,500人以上の大学生と500人の成人を対象に、一人時間の重要性を評価したものになっております。その結果、1人時間のメリットが22パターンも見つかったというんですな。

 

  1. 達成:集中して作業を進め、成果を上げる。
  2. 匿名性:周囲を気にせず自由に振る舞える。
  3. 嫌なやり取りの回避:不快な対人関係を避けるため。
  4. 創造性:アートや音楽などで自己表現する。
  5. 感情調整:ストレスや不安に対処する。
  6. 逃避:日々の義務や社交から離れる。
  7. 健康回復:病気や体調不良から回復する。
  8. 独立性:自己の自主性を高める。
  9. 内なる平和:生活のプレッシャーから解放される。
  10. 親密性:離れている愛する人を思い出す。
  11. 余暇:趣味や娯楽に没頭する。
  12. 自然との触れ合い:自然を感じ、心を癒す。
  13. プライバシー:安全でプライベートな。
  14. 問題解決:困難な決断を考え抜く。
  15. 静けさ:騒音のない環境で心を休める。
  16. 感染リスクの低減:他人との接触を減らす。
  17. リラクゼーション:リラックスしてエネルギーを回復する。
  18. 宗教的経験:信仰やスピリチュアルなつながりを深める。
  19. 日常のルーティン:日々の仕事や運動をこなす。
  20. 自己発見:自分の強みや目標を再確認する。
  21. 自己反省:自分の考えや感情を振り返る。
  22. 旅行:慣れ親しんだ環境を離れる自由を味わう。

 

日本人には「宗教的体験」はあんま関係なさそうですけど、それ以外はどれも納得のメリットじゃないでしょうか。

 

でもって、これらのメリットをふまえたうえで、研究チームは続いて「1人時間の使い方は性格によって異なるのでは?」って問題を分析してます。1人時間で得られるメリットは、個人の性格によって違いがあるんじゃないかってことですな。

 

このポイントを調べるために、研究チームは、毎度おなじみ「ビッグファイブ」の性格分類を使い、それぞれが一人時間にどう影響するかを調べております。その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 神経症傾向が高い人(不安になりやすい人):感情を調整するために一人時間を使うと良い感じ。たとえば、以下のような活動が考えられる。

    • ジャーナリング:日記や感情ノートにその日の気持ちや考えを書き出す。
    • 呼吸法や瞑想:マインドフルネスを取り入れて心を落ち着ける。
    • ヨガやストレッチ:身体をほぐすことで緊張を和らげる。

 

  • 開放性が高い人(好奇心がある人):創造性や自己発見の時間として一人時間を使うと良い感じ。たとえば、以下のような活動が考えられる。

    • 絵を描く、写真を撮る:新しいアートや表現を試してみる。
    • 楽器の練習や作曲:音楽を通じて自己表現する時間を持つ。
    • DIY:家具を作る、ハンドメイドアイテムを試す。
    • 新しいスキルに挑戦する:オンラインコースで新しい知識を学ぶ。

 

  • 誠実性が高い人(勤勉な人):生産性を上げる時間として一人時間を使うと良い感じ。たとえば、以下のような活動が考えられる。

    • タスクリストの整理:翌日の計画を立てる、やるべきことを片付ける。
    • 趣味プロジェクトの進行:編み物、模型制作など、細かい作業に没頭する。
    • 資格試験の勉強や読書:スキルアップのための集中時間を確保する。
    • 片付けや掃除:家の中をきれいにして気分をリフレッシュ。

 

  • 外向性が低い人(内向的な人):リラックスやエネルギー回復のために一人時間を使うと良い感じ。たとえば、以下のような活動が考えられる。

    • ソファに座って静かに読書:小説や詩を楽しむ時間を作る。
    • アロマセラピー:好きな香りのアロマキャンドルを灯してくつろぐ。
    • 昼寝や温かいお風呂:身体と心の疲れを癒やす。
    • 静かな場所での散歩:自然の中を歩くことでリフレッシュする。

 

  • 外向性が高い人(社交的な人):外向性が高い人は基本的に一人時間が短めでも満足する場合が多いが、あえて行う場合は以下のような活動が考えられる。

    • 一人で趣味の研究や練習:趣味を充実させる準備期間として活用。
    • SNSやブログでの発信準備:自身の興味や知識をまとめる。
    • 自分の目標を整理するノート:未来の計画を立ててモチベーションを高める。

 

って感じです。一人時間のメリットの出方は人によって異なり、たとえば内向的な人にとっては、一人時間を「休息」として使うと上手くいきやすいし、誠実性が高い人の場合は、やりかけの仕事を片付けたり、目標に向けて集中したりする時間に使ったほうが良いってことですね。要するに、自分の性格や目的に合わせて一人時間をデザインしようぜって話ですね。

 

以上をふまえて、自分の性格に適した一人時間を見つけるには、いくつかのポイントを守ってみると良さそうであります。

 

  • 一人時間を確保する:どんだけ毎日が忙しいとしても、とりあえずは意識的に一人時間を確保してみるのが大事。明確なガイドラインは無いものの、とりあえず週に1〜2時間でもOK。

 

  • 自分に合った過ごし方を見つける:「ビッグファイブ」のテストをして、自分の性格をざっくり把握。そこで判断した自分の性格に応じて、活動内容を調整してみましょう。たとえば、ストレスを感じているなら感情調整の時間、創造性を発揮したいならアートや音楽を取り入れたりとか。一人時間の過ごし方に「正解」はないので、自分にとって心地よい過ごし方を選ぶのが吉。

 

ってことで、どんな活動をするにせよ、決して孤独は悪いものではないので、自分が必要としている活動を考えるきっかけとして、一人時間を使ってみるとよさそうっすね。お試しあれー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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