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あなたの隣にいる「サイコパス」てどんな人なの?を調べた研究の話

 
 

サイコパスと聞くと、つい共感力がなく、平気で嘘をつき、時には犯罪に手を染める……みたいなイメージを思い浮かべがちですけども、最近の研究(R)では「サイコパス的な人は身近にひそんでいるぞ!」という興味深い結論を出してましたんで、そこをチェックしておきましょう。

 

これはアラバマ大学とケネソー州立大学のチームによる研究で、「一般人のなかに潜むサイコパス的傾向」について調べたものです。これまでのサイコパス研究ってのは、刑務所などに収監されるような「明らかな加害者」を対象に行われることが多く、サイコパスのタイプを大きく4つに分類しております。

 

  1. 冷酷・詐術型:人を操るのが得意で、罪悪感がほぼゼロ

  2. 衝動・反社会型:情緒が不安定で、ルール無視の行動が多い

  3. プロトタイプ型:上記の特徴をすべて持ち合わせた“本物”のサイコパス

  4. 一般的な犯罪者型:特徴は薄いが、問題のある行動が多い

 

で、今回の研究では、こうしたタイプが「犯罪者ではない普通の人々」にも当てはまるのか?という疑問にチャレンジしたわけです。

 

そこで研究チームは、平均46歳の一般成人446人を集めて、まずは以下のような心理特性を測定したんだそうな。

 

  1. サイコパス的傾向(例:「人を好きなふりをして得を取ることがある」)

  2. 衝動性(例:「機嫌がいいときは歯止めが利かなくなる」)

  3. 不安・うつ傾向

  4. ビッグファイブ(毎度おなじみの、予測精度が高い性格テスト)

 

これら4つのデータを組み合わせて、一般人の中にどんな“隠れサイコパス傾向”が存在するのかを統計的に抽出したわけですね。

 

ここで言う「サイコパス傾向を測る項目」ってのは、たとえば以下のようなものです。

 

  • 「人を操作するために好意的にふるまうことがある」
  • 「人を傷つけても罪悪感はわかない」
  • 「スリルを求めて危険なことをする」
  • 「護身用に武器を持ち歩くことがある」
  • 「人の感情を読み取るより、利用価値を先に考えてしまう」
  • 「謝罪はするが、内心では悪いと思っていない」
  • 「長期的な人間関係より、短期的な利益を優先しがち」

 

いずれも日常生活の中でも普通に起こりうる行動ばかりして、思わず「あの人に当てはまるかも……」などと思った方もいるかもしれませんな。

 

さらに、衝動性の指標としては以下のような項目を使ってます。

 

  • 「イライラしているときは深く考えずに行動する」
  • 「テンションが上がると自制が効かなくなる」
  • 「すぐにあきらめてしまう」
  • 「何かに手を出してから後悔することが多い」

 

これらの傾向が強い人は、単に「性格がちょっと問題ある人」ではなく、サイコパス的な性質が行動に表出しているかもしれないと、研究チームは考えたわけですね。

 

で、分析の結果がどうだったのか?というと、こんな感じになりました。

 

  • 犯罪者と似た4つのサイコパスの特徴が、一般人の中にも存在した!

 

と研究者たちは結論づけています。「サイコパス的な傾向は、犯罪歴がなくても成立する」ってことですね。

 

特に注目されたのが、

 

  • 衝動的で反社会的なグループ(外向型サイコパス)

  • 冷酷で計算高いが非反社会的なグループ(内向型サイコパス)

 

という2つの要素でして、どちらのグループも、不安やうつの症状が強く、神経症傾向(ネガティブ感情の揺れやすさ)も高いって特徴が見られたのが興味深いポイントです。つまり、サイコパス的な一般人ってのは、自分が持つ反社会的な傾向に、どこかしらの「生きづらさ」を感じている可能性もあるってことなんでしょうな。

 

ということで、この研究が示唆するのは、次のようなことです。

 

  • サイコパス的な性質は、「犯罪者だけのものではない」(これは昔から言われてることですな)

  • 一見ふつうに見える人でも、裏では他者を操ったり、反社会的な衝動を抱えていたりする(これも昔から言われてることではありますな)

  • しかも本人も「なんか苦しい」と感じていることがある(ここは新しい観点ですな)

 

もちろん、ここで「ちょっと変わってるな」という人を見かけただけで、「あいつはサイコパスだ!」と決めつけるのは早計であります。が、一方で「この人、なんか妙に自己中心的だな」と感じたら、試しに相手の言動全体を俯瞰してみるのは良い習慣かもしれません。

 

なにせサイコパスってのは、何か特別な才能を持った一部の犯罪者ではなく、職場にも、ママ友グループにも、マッチングアプリにも普通に存在するかもしれない存在なので、以下のような行動をとる相手には、ちょっと注意しておくとよいかも?って感じです。

 

  • やたらと調子がよく、相手によって態度を変える
  • 他人に対して共感の欠如が見られる
  • 自分の得のためなら平気で嘘をつく
  • 衝動的な行動が多く、後悔の色が見られない
  • 被害者ポジションを取りつつ、実は状況を操作している
  • 人間関係が「突然切れる」「定期的に総入れ替えになる」
  • 自分の行動の結果を、ほぼ常に他人や環境のせいにする
  • 他人の不幸・失敗を、内心では娯楽的に消費している節がある

 

これらに複数当てはまるようなら、「もしかして……」と疑ってみる価値はありましょう。そこから、相手とどう付き合うかは各自の好みですけども、必ず毎日顔を合わせねばならない人でない限り、私だったら距離を置きますかねぇ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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