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過去の“経験人数”は何人までが最もモテるのか?問題を調べた研究の話

 
 

パートナーを選ぶときに、「この人、過去にどれくらい恋愛経験があるんだろう?」と気になったことがある人は少なくないでしょう。微妙にナイーブな話題ではありますが、過去の恋愛やセックスの体験量ってのは、いつの時代もパートナー選びの指標のひとつであります。

 

で、ここで気になるのが、「過去の性的なパートナーの数は多いほうがいいのか?少ないほうがいいのか?」というところで、少し考えただけでも、

 

  • 過去の性的なパートナーの数が多い → 「この人はモテるから魅力的なのだ!」と判断されて、さらにモテる
  • 過去の性的なパートナーの数が多い → 「この人は浮気しそうで、長期的な関係には向かないのでは?」と判断されて、パートナーには選ばれにくくなる

 

って2つの経路が考えられるわけで、いまいち判断がつきづらいわけです。

 

ってことで、新しい研究(R)では、「過去の性的なパートナーの数は、どれぐらい真剣交際の判断材料に使われるのか?」を大規模調査でガッツリ調べてくれてて面白いわけです。どれくらいまでの“経験人数”なら「長期的なパートナー」として受け入れられるのか?みたいな問題ですな。

 

これはイギリスのアンドリュー・トーマス先生らが行った調査で、欧米やアジアの11カ国から5,300人超の被験者をピックアップして、「過去の性的なパートナーの数や、そのタイミングが、どれだけ長期的なパートナーとしての魅力度に影響するか」といったポイントを調べたんですよ。

 

その結果、なにがわかったかと言いますと、

 

  • 最も好感度が下がるのは、「過去の経験人数が4人〜12人」の間だった

  • 過去の経験人数が12人から36人にまで増えても、好感度の下がり幅はマイルドなものだった

  • 過去の経験人数が4人以下なら、ほぼ誰も気にしなかった

  • 上記の結果について、男女差はほとんどなかった

 

って感じだったそうな。過去の経験人数が「31人」の人と「35人」の人を比べた場合は、みんな特に「どっちがいい!」とか気にしないけど、「5人」と「9人」みたいな“そこそこの差”を比べた場合は、パートナー候補としても好感度が大きく変わるってのが面白いところですね。まぁ、人間の脳が「あまりにも多い経験人数」には対応できないってことなんでしょう。

 

さらに、もうひとつ興味深いのが、「いつ、どの時期に恋愛・性活動が活発だったか?」というタイミングの問題が超重要だってところです。研究チームは、タイミングの問題を調べるために、みんなに以下の条件を提示しまして、

 

  • ずっとコンスタントに新しい相手と付き合ってきた人
  • ここ数年で急に活発になった人
  • 昔は多かったけど、近年は落ち着いてきた人

 

といった人のうち、どのパターンに最も魅力を感じるかを答えてもらったところ、「最近は活動が落ち着いている人」が最も長期的なパートナーとしてふさわしいと判断されたんだそうな。

 

逆に、「直近で多くの相手と関係を持った」場合は、たとえ合計人数がそこまで多くなくても、印象が悪くなりやすかったとのこと。この傾向は、カジュアルな恋愛にオープンな人(いわゆる“遊び人”タイプ)でも同じだったというから面白いもんです。

 

というと「日本と海外で感覚は違うんじゃ?」と思われる方も多いでしょう。実際のところ、調査ではいくばくかの文化差はありまして、アメリカやノルウェーでは「4人」くらいまではOKとする傾向が強く、中国やポーランドではもう少し厳しめみたいな感じだったらしい。

 

ただし、これらの文化差は若干ぐらいな感じでして、アジア圏でもだいたい同じような傾向は見られてる印象っすね。要するに、

 

  • 「パートナーが少ないほうが印象はいい」

  • 「最近の性活動が落ち着いているほうがモテる」

 

という基本ラインはどの国も大きく変わらないってことです。これはなんかわかりますなぁ。

 

となると、「なぜ人は相手の“過去”を気にするのか?」ってとこも気になりますけども、これは原始時代から続く「生存戦略」の名残があるからです。昔は性行為ひとつで命に関わる病気にかかったり、望まぬ妊娠をさせられたり、パートナーから見捨てられたりといったリスクが高かったんで、その頃に形作られた警戒システムが現在も残っているわけっすね。

 

そのため、たとえば、

 

  • 性的なパートナーが多い=浮気しやすいのでは?
  • 性感染症のリスクが高いのでは?
  • 人間関係を大事にしない人なのでは?

 

みたいな直感的な感覚が生まれるんですな。ということで、恋人や結婚相手を選ぶ際に、私たちが無意識に「相手の過去」をチェックしてしまうのは、もはや人類共通の“本能”と言っていいんでしょう。

 

もちろん、いかに「自然な反応」だからといって、それが自分の人生に適応的でなければ意味はなし。こうした“無意識の反応”が本当に正しいのかどうかを、いったん立ち止まって考えてみるのも時には大事なことでありましょう。「自分はどんな前提で相手を評価しているのか?」を問い直してみると、メタ認知が働いて、より冷静な結論が出せるようになるはずですんで。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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