「断食をしていると頭が働かなくなる!」はどこまで本当か?を調べたメタ分析の話
近ごろは、16時間断食だの、週2日断食だの、いわゆる「ファスティング」がかなり市民権を得てきましたよね。皆さんのなかにも、「朝ごはん抜き生活してます!」って方、多いのではないでしょうか。
たしかに、断食のメリットについていろいろと裏づけがありまして、
- 体重の減少
- 血糖値のコントロール
- 心臓病のリスク低下
などが挙げられております。私自身も基本は16時間断食を続けてまして、「おお、たしかに調子いいかもな〜」なんて実感しているわけです。
が、そこでちょっと気になるのが「脳のパフォーマンス」への影響でしょう。というのも、脳ってのは割とエネルギーを使う器官で、1日に使うカロリーの約20〜25%を消費してるんですよ(体重の2%しかないのに)。そう考えると、「空腹だと集中できない」や「断食すると頭がボーッとする」みたいな話にも一理ありそうな気がしてくるわけです。
では、実際のところ、「断食は頭に悪い」のか? それとも「むしろ脳にいい」のか?ってことで、新しいデータ(R)がこの問題をガッツリ深掘りしてくれておりました。
ここで調査を行ったのは、ザルツブルク大学のクリストファー・バンバーグ先生らで、研究チームは、過去の実験から信頼度が高いものを70本ほどかき集めて、ファスティングと認知機能の関係を総合的にメタ分析してくれたんですよ。ありがたいですねぇ。
でもって、まずはメタ分析のざっくりした結果をまとめておくと、
- ファスティングが原因で認知機能が大きく低下することは、ほぼない
みたいになります。これは、テスト内容(記憶力、注意力、反応速度など)や断食の長さ(12時間〜24時間)に関係なく、だいたい一貫した傾向っぽいようでして、つまり「空腹だから頭が働かなくなるのでは……」って心配はほぼ無用だってことですね。プチ断食をやってる人にはありがたい結論ですなぁ。
とはいえ、研究チームはここで話を終わらせず、さらにいくつかの「重要なポイント」を指摘してくれております。ここらへんも簡単にチェックしておきましょう。
1. テストする時間帯が重要
まず面白かったのが、ファスティングの影響は「時間帯」によって変わるという点ですね。多くの研究では、空腹のまま午後に認知テストを受けた人の成績が、満腹の人よりも下がる傾向が見られたんだそうな。
ただし、これは「断食時間が長いせい」ではなく、「概日リズム(体内時計)の影響じゃない?」と著者たちは推測しておられます。つまり、午後になると誰でも認知機能が下がりがちなので、空腹だとその傾向がより強く出るのでは?ってことですな。
そう考えると、ファスティング中に何か大事な作業をするときは、午前中の方がパフォーマンスが出やすいかも?とは言えるでしょうな。
2. ケトン体が助けてくれる可能性
私たちの体は、食事を取らないと約8〜12時間でケトーシスに入ります。つまり、エネルギー源がブドウ糖からケトン体にシフトするわけです。
このとき、ケトン体が脳のエネルギー供給を助けてくれることで、最初は少し認知機能が落ちても、時間が経つにつれて回復する……みたいな可能性も指摘されておりました。つまり、ファスティング初心者が「頭働かない」と感じるのは一時的な反応で、慣れればむしろ安定してくるかもなー、と言えるわけですね。
3. 子どもはNG、大人はOK
大人はファスティングの悪影響は少ないんだけど、当然ながら子どもはまた別の話。多くの研究では、空腹の子どもは認知テストの成績が明らかに悪くなっていたそうなので、ここはご注意くださいませ。
これは、成長期の脳がエネルギー不足に弱いからで、子どもにとっては朝食が重要だって話とつながりますな。なので、お子さんの朝ごはんは抜かないようにお気をつけください。
4. 慣れるまでは2週間?
断食に慣れていない人は、空腹でイライラしやすく、結果として認知機能も落ちやすいというデータも出ておりました。ただし、このあたりの研究はまだ少ないので、今後の検証が待たれるところっすね。まあ「最初の1〜2週間はきついけど、そのうち慣れる」というのは、実際にあるあるな話のようなので、まずはちょっと様子を見てみるのはアリかもしれません。
というわけで、今回のメタ分析の結果を見直してみると、
- 大人にとって、12〜24時間の断食は認知機能への影響ほぼナシ。ただし、午後に頭を使う作業をするなら注意。
- ケトーシスに慣れるとむしろ安定感がアップする。初心者は最初ちょっとツラいかも。
- 子どもには断食NG
みたいになります。ざっくり言えば、「ファスティング=頭が回らなくなる」というイメージはほぼ成立せず、むしろ、体も頭もスッキリして、日中のパフォーマンスを上げられる可能性もあるんじゃないかと。私もどちらかと言えば空腹時のほうが集中力は上がる気がしてまして(プラセボかもですが)、そのおかげで16時間断食の生活が続いてるところもありますね。
ということで、皆さんも今回のデータを参考に「空腹との付き合い方」を調整してみていただければと。どうぞよしなに。


