論理的思考と直感的思考はどっちが正しい?
「ちゃんと考えたほうがいいのか、それとも直感を信じたほうがいいのか?」って議論は昔からありますけども、そのへんについて調べたボーリング・グリーン州立大の研究(1)が面白いのでメモ。
これは、274人の学生を対象にした実験で、まずはアンケートで彼らの意思決定スタイルを調べたんですね。心理学の世界では、多くの人間は決まった意思決定の型を持ってると考えてまして、具体的には以下の5つにまとめられております。
- 合理的 論理的に考えて選択する
- 直感的 直感や間隔で決定する
- 依存的 他者のアドバイスを元に決定する
- 回避的 決定を引き延ばそうとする
- 自発的 できるだけ早く決定を終わらせようとする
もちろん、状況によって意思決定の方法が変わることもあるんですが、たいていの人は1つのスタイルを守り続けるものらしい。
で、学生たちの意思決定のスタイルがわかったあと、彼らが過去に行った選択について、友人たちから採点してもらったんですね。すると、合理的な意思決定スタイルを持つ学生が、もっとも正しい選択をしていると評価されたんですな。
一方で、直感的なスタイルを持っている学生は、自己採点が高かったわりには、周囲からの評価は低めだったとか。つまり、自己満足な選択で終わってる可能性が高かった、と。
この結果は、過去の研究(2)ともわりと一致してまして、たいていは論理的に考えて選択したほうが人生の満足度も高く、日常のストレスも少ない傾向が見られるというんですね。ブルース・リーや羽生名人クラスの天才なら直感に従うのもアリかもですが、わたしのような凡人は、やっぱし論理的に答えを出すことを心がけたほうが良さそうですねぇ。
ただし、マルコム・グラッドウェルの「第1感」なんかを読むと、他人の能力や性格を判断するような場面では、意外と最初の直感が正しいケースも多いってのが面白いところ。人間の脳は、社会関係で上手くやるために進化してきた面も大きいので、そのあたりの直感については、自分を信じてもいいのかもですね。