「俺まだ本気だしてないだけ」ってフレーズもときには役に立つという話
「俺はまだ本気だしてないだけ」といえば、たんなる逃げ口上と取られがちですが、キャロル・ドゥエック教授の動画(1)によれば、「まだ」って言葉にはかなり前向きな効果があるらしい。
ドゥエック教授は「『やればできる!』の研究」などの本で有名なスタンフォード大の先生で、「やればできる!」と思うと本当に成長のスピードが高まることを実証した偉い人。
教授のアイデアはシンプルで、人間の「成長」に対する考え方は、以下の2種類にわけられるんだそうで。
- 固定型マインドセット:「人の能力は生まれつきなので、それ以上は変えられない」って考え方
- 成長型マインドセット:「人の能力はがんばれば変えられる」って考え方
当然ながら、「固定型」の人は自分が思ったレベルまでの能力しか得られないんだけど、「成長型」は限界を気にせず学んでいくもんで、ガンガン能力がアップしていくわけですね。
で、この動画では、学習の場における「成長型マインドセット」の育て方について述べてまして、その際に「まだ」って言葉を使うのが有効なんだそうな。ポイントをざっくり意訳しますと、
わたしたちの研究チームは、「まだ」や「まだ〜ではない」といったフレーズを使って、生徒たちのモチベーションをグンと上げる方法を発見しました。
もし生徒が「僕は数学の素質がない」と言ったら「僕にはまだ数学の素質がない」と言い換え、「僕にはムリだ」と言ってきたら「僕にはまだムリだ」とつけ加えてみてください。それだけで、自然と学習を続けるための道すじが見え、最終的にたどり着く目標が生まれるのです。
つまり、生徒たちに「学び続ける」という文脈をあたえることで、暗黙のうちに「固定型マインドセット」から「成長型マインドセット」へ切り替わったのです。
とのこと。かなり手軽に使えそうな技ですねぇ。
ちなみに、キャロル・ドゥエック教授については、以下のエントリでも取り上げてますので、興味のある方はよろしくご参照ください。
- 「人は変われる!」と信じたほうが健康も頭も良くなる
- 「『ほめて育てよ』は間違い。」は間違い。ほめるポイントに気をつけてガンガンほめましょう
- 成功するためにもっとも大事な要素と言われる「グリット」のお話