学習スピードが速い人は逆に頭を使っていないという事実
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やたら勉強のスピードが早い人がいる一方で、まったく飲み込みが悪い人もいたりするわけですが、新しく出た論文(1)によれば、学習が速い人ほど意外と脳を使っていないんだそうな。
これはカリフォルニア大の実験で、参加者に簡単なゲームをプレイしてもらいつつ、6週間にわたってfMIRで脳の活動をモニタし続けたんですね。これまでの研究は、数時間ぐらいの単位でしか脳の変化を記録していなかったので、今回の実験は、かなり現実にそくしたものになっております。
すると、新しいことを覚えるスピードが速い人ほど、前頭皮質の活動が少ないことがわかったんだそうな。前頭皮質は物事をしっかりと計画するときに使われるエリアでして、要するに、物覚えが良い人はあんまり脳の高度な機能を使っていないんだ、と。
研究者いわく、
人間の脳は、たくさんの道具をつめこんだ倉庫のようなものだ。
楽器の練習のような新しいことを学ぶとき、私たちの脳は、どうにか音楽を生み出そうとして、さまざまな道具を倉庫から取り出そうとする。
長く練習を続ければ、それだけ必要な道具は少なくなり、脳の運動野もちゃんと音楽を鳴らせるように働き始める。
今回の実験は、いくつかの認知ツールが、新たなスキルを習得するさまたげになる可能性を示している。
とのこと。予測や計画をつかさどる脳のツールが、新しいスキルを得る際にはジャマになっちゃうわけですね。
新しいスキルを速く学ぶことができるのは、これらの脳のエリアの機能を素早くオフにできる人だ。
学習が遅い人たちは、これらの脳の機能がジャマをしているケースが多い。成果を得ようとがんばったあげく、考えすぎてしまうのだ。
ということで、何か新しいことを身につけたいときは、「どんな学習法がベストだろうか…」とかあまり考えずに、ひたすら練習をこなすのがベストという話でした。確かに、わたしも英語の勉強をしてたときは、よけいなことを考えずに黙々と単語を記憶するのが一番はやく力がついたようにも思います。
credit: PinkPersimon via FindCC