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サプリの肝臓ダメージは「緑茶」で減らせるかも

EGCG

昔から効果の高いダイエットサプリとして有名なのが「EGCG」。緑茶から抽出したカテキンの一種でして、ノルピネフリンってホルモンを分泌させて脂肪を燃やしてくれることがわかっております(1,2,3)。




もともと緑茶のダイエット効果は実証研究が豊富で、当ブログでも過去に「カフェインとEGCGの組み合わせで激しく脂肪が減る!」ってデータをご紹介ずみ。ただし、一部には高濃度のカテキンは肝臓に悪いって話もありまして、なかなか悩ましいところでありました。


が、近ごろ出た論文(1)によれば、カテキンの肝臓ダメージは緑茶でふせげる可能性が高いみたい。


これはペンシルヴァニア州立大学の実験で、マウスたちに人間が使うダイエットサプリと同じ濃度のEGCGを飲ませたもの。その際、マウスたちは以下の2グループにわけられたんですね。


  1. EGCGを飲む前に2週間ほど緑茶を飲む
  2. EGCGを飲む前まで普通の食事を続ける

3日後の結果はかなり劇的でして、高濃度のカテキンを服用する前に緑茶を飲んだグループは、そうでないグループにくらべて75%も肝臓のダメージが少なかったんだとか。なんでも、緑茶のポリフェノールには肝臓を守る働きがあるらしい。


研究者いわく、


この研究は、定期的に緑茶を飲むことで、サプリメントによる肝臓へのダメージがやわらぐことを示している。もしカテキン系のサプリを使うつもりなら、その数週間から数カ月前に緑茶を飲んでおくことで、健康リスクを減らすことができるだそう。

とのこと。って、それなら普通にお茶をたくさん飲んだほうがいいんじゃない?とか思ったわけですが、研究者も同じことを言っておりました。


サプリよりも緑茶を飲むほうが、肝臓ダメージの不安を気にせずメリットだけを得られるだろう。緑茶から得られる健康効果は、サプリメントよりも日常的に食事の一貫としてお茶を飲むほうが大きい。それに、サプリメントのリスクはまだ不明な点も多い。

さらに同論文によれば、過去に行われた11の臨床実験でも、緑茶には平均で1.5キロの減量効果が見られたとか。一方で、1日に2〜4リットルのお茶を飲んでも肝臓へのダメージは見られなかったそうで、あらためて緑茶のすばらしさに感じ入った次第です。


そんなわけで、確かにカテキンにはダイエット効果がありますが、リスク面もあわせれば普段からお茶を飲むほうが吉。日本人には非常にありがたい話ですねぇ。



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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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