笑いのツボが変わったら頭がボケてきた証拠かもしれないってよ
https://yuchrszk.blogspot.com/2015/11/blog-post_14.html
「笑いのツボが変わったら頭がボケてきた証拠かも!」って論文(1)が面白かったんでメモ。
これはロンドン大学の実験で、bvFTDの患者さん48名について調べたもの。bvFTDは脳の一部が縮んで起きるタイプの認知症で、老人のみならず若者の発症例も多い恐ろしい病気。この研究では、患者さんの家族や友人に大量のアンケートを行い、症状が出る前と出た後の行動の変化を調べたんですね。
もともとbvFTDは行動の変化が起こりやすい病気でして、たとえば、
- 歩くスピードが妙に遅くなる
- 嗅覚が鈍くなる
- 網膜がにごって見えにくくなる
といった初期症状が知られております。しかし今回の研究によれば、もっとも明確なボケのサインは「笑いのツボの変化」なんだとか。
具体的な変化の例としては、
- よりスラップスティック・コメディが好きになる(ミスター・ビーンとかチャウ・シンチーの映画みたいな)
- 悲劇的な事件で笑うようになる(地震やテロのニュースとか)
- 風刺やシュールな笑いには反応しなくなる(モンティ・パイソンとかバカリズムとか天竺鼠とか)
- 日常的な光景に笑ったりする(吠える犬とか停車中の車とか)
みたいな感じ。早い人では、ボケが発症する9年前から笑いのツボが変わっちゃうケースもあるらしい。凄いですねぇ。
研究者いわく、
ユーモアは脳のさまざまな機能を使う行為だ。笑いを理解するには、思考力や共感力、社会性の能力が必要となる。ユーモア感覚の変化を見れば、痴呆を正確に判断できるかもしれない。
とのこと。笑いは脳に大きな負荷をかけるため、痴呆になると複雑で場の空気を読んだギャグが理解できなくなっていくんだ、と。ここで大事なのは「感覚の変化」でして、蛭子さんみたいに昔から葬式で大笑いしてたような方には当てはまりませんのでご注意ください。